本はごはん。
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探していた絶版本を見つけました。哲学者による「新選組」です。
新選組隊士たちの日常の生活の断片を拾い上げた外伝のような短編集ですが、
これが何とも面白く、「女性の好み」や「浮気」、「スポーツとしての剣道」
など、新しい切り口で新選組に光を当てています。
もう知るよしはないのだけれど、彼らにもこんな日常があったと思いたいし、
実際そうだったのだろうと思う。
いちばん胸に残るのは、やっぱり山南の話でしょうか。
同じ男に惚れ込みながら、彼らの考える方法論が決定的に違った。
どちらが正しかったとか間違えていたとかではなく、それがあまりに
かけ離れていたという悲劇だったのかもしれません。
数ある新選組関連の中でちょっと異色で、とても面白い本です。
新選組について一通りの流れを把握してから読んだ方が良いと思いますが、ほんと復刊されると
良いなぁとおもう本です。
「新選組の哲学」 福田 定良 ★★★★
新選組隊士たちの日常の生活の断片を拾い上げた外伝のような短編集ですが、
これが何とも面白く、「女性の好み」や「浮気」、「スポーツとしての剣道」
など、新しい切り口で新選組に光を当てています。
もう知るよしはないのだけれど、彼らにもこんな日常があったと思いたいし、
実際そうだったのだろうと思う。
いちばん胸に残るのは、やっぱり山南の話でしょうか。
同じ男に惚れ込みながら、彼らの考える方法論が決定的に違った。
どちらが正しかったとか間違えていたとかではなく、それがあまりに
かけ離れていたという悲劇だったのかもしれません。
数ある新選組関連の中でちょっと異色で、とても面白い本です。
新選組について一通りの流れを把握してから読んだ方が良いと思いますが、ほんと復刊されると
良いなぁとおもう本です。
「新選組の哲学」 福田 定良 ★★★★
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久しぶりに新選組ものです。
「史伝」とあるとおり、かなりの資料を当たって書かれているようです。
歴史は勝者が書く、もしくは書き換えますし、幕末から明治にかけては
まさしく「勝てば官軍」ですから、残っている資料でも明らかに間違って
いるもの、当事者のものであっても記憶違いなものなどが多数で、
しかし丁寧に各資料をつきあわせ、矛盾や資料による相違を拾い上げ、
またなぜそのように記述されたのかも推測しています。
新選組について描かれたものを読むたびに思うのは、近藤があのとき、
流山で捕まっていなかったら彼はどう生きたのでしょうか?
高台寺党の残党に狙撃されて、以前のように剣を持てなくなった彼は。
それ以前にそれ(剣を使えないこと)を知ったとき近藤は、何を思ったのでしょうか?
そしてなにより、土方の孤独。
それにしても、何を読んでも松平容保はいい人です。本当に誠実な人だったんでしょうね。
その人柄や会津藩の気質などが相まって、悲劇へとなだれ込んでしまったようにも思います。
幕末および新選組の経緯をひととおりさらってからの方が、本書は楽しめると思います。
「史伝 新選組」 三好 徹 ★★★
「史伝」とあるとおり、かなりの資料を当たって書かれているようです。
歴史は勝者が書く、もしくは書き換えますし、幕末から明治にかけては
まさしく「勝てば官軍」ですから、残っている資料でも明らかに間違って
いるもの、当事者のものであっても記憶違いなものなどが多数で、
しかし丁寧に各資料をつきあわせ、矛盾や資料による相違を拾い上げ、
またなぜそのように記述されたのかも推測しています。
新選組について描かれたものを読むたびに思うのは、近藤があのとき、
流山で捕まっていなかったら彼はどう生きたのでしょうか?
高台寺党の残党に狙撃されて、以前のように剣を持てなくなった彼は。
それ以前にそれ(剣を使えないこと)を知ったとき近藤は、何を思ったのでしょうか?
そしてなにより、土方の孤独。
それにしても、何を読んでも松平容保はいい人です。本当に誠実な人だったんでしょうね。
その人柄や会津藩の気質などが相まって、悲劇へとなだれ込んでしまったようにも思います。
幕末および新選組の経緯をひととおりさらってからの方が、本書は楽しめると思います。
「史伝 新選組」 三好 徹 ★★★
新撰組のサイドストーリー的短編集しかも連作。
これを読まずにいられようか。
土方もその刀を使ったと言われている11代兼定など、職人さんにも
スポットが当たっています。
当然と言えば当然ですが、職人も女性も市井のひとたちも、みんな
「時代」は翻弄していきます。
箱館時代の土方がこんなに穏やかだったのかどうか、もう知る術は
ないですが、確かにみんな「夢のかたちが違った」のかもしれません。
解説が刀鍛冶の職人さんなんですよ。なかなか面白い試みですね。
「会津斬鉄風」 森 雅裕 ★★★★
これを読まずにいられようか。
土方もその刀を使ったと言われている11代兼定など、職人さんにも
スポットが当たっています。
当然と言えば当然ですが、職人も女性も市井のひとたちも、みんな
「時代」は翻弄していきます。
箱館時代の土方がこんなに穏やかだったのかどうか、もう知る術は
ないですが、確かにみんな「夢のかたちが違った」のかもしれません。
解説が刀鍛冶の職人さんなんですよ。なかなか面白い試みですね。
「会津斬鉄風」 森 雅裕 ★★★★
「新撰組幕末の青嵐」の著者の作品ですが、こちらは新撰組を裏から
とういか、「御陵衛士」とか新撰組の中では監察担当の尾方に、
つまりは近藤、土方、沖田などのメジャー組ではなく、マイナー組に
スポットが当たっています。
「マイナー組」がメインといえど、というかそれなのにこの深みのある世界を
紡ぎ出すのは、もうすごいとしか言いようがない。
自分の正義を目指すひとと、それぞれについていくひとと、
どうすればいいのか判らないひと。
それぞれの正義、それぞれの矜持、それぞれの欲求。
翻弄されまくって、無力感だけが残る。
歴史に大きく名を残すこともなかった人々ですが、なんというか切ない。
全体的にかなり切ない。
ラストだけが、ささやかな救いです。
それにしても。
今回は脇役感のある土方ですが圧倒的存在感。
やっぱりこの人のすごいところは、自分は参謀役に徹しているところだ。やろうと思えば自分で
頭を張ることだって簡単だったろうに。
近藤の何が、土方をしてそうさせたのか。うーん、判らん。
「地虫鳴く」木内 昇 ★★★★
とういか、「御陵衛士」とか新撰組の中では監察担当の尾方に、
つまりは近藤、土方、沖田などのメジャー組ではなく、マイナー組に
スポットが当たっています。
「マイナー組」がメインといえど、というかそれなのにこの深みのある世界を
紡ぎ出すのは、もうすごいとしか言いようがない。
自分の正義を目指すひとと、それぞれについていくひとと、
どうすればいいのか判らないひと。
それぞれの正義、それぞれの矜持、それぞれの欲求。
翻弄されまくって、無力感だけが残る。
歴史に大きく名を残すこともなかった人々ですが、なんというか切ない。
全体的にかなり切ない。
ラストだけが、ささやかな救いです。
それにしても。
今回は脇役感のある土方ですが圧倒的存在感。
やっぱりこの人のすごいところは、自分は参謀役に徹しているところだ。やろうと思えば自分で
頭を張ることだって簡単だったろうに。
近藤の何が、土方をしてそうさせたのか。うーん、判らん。
「地虫鳴く」木内 昇 ★★★★
これは小説です。
新撰組初期からのメンバーであり、後に袂を分かち、伊藤甲子太郎と共に
御陵衛士となり若くして死んだ藤堂が主人公ですが、土方と藤堂ってこんなに
緊密な関係だっけ? というのは小説ですからまあ良しとしましょう
(因みに、土方は沖田ともそんなに親密ではなかったようですよ)。
しかしなんというか、人物像を浮きだたせるためとはいえ、登場人物が
感傷的に過ぎる
(情感豊かに描くというのと、感傷的というのは違うと思うのです)。
土方はもちろん、藤堂なんてまるで少女漫画に出てくる影をもつ王子様
みたいな描かれ方。
特に、藤堂と永倉新八がじゃれ合うシーンが何度か出てくるんですが、あまりに子供っぽすぎる。
全体的に、なんか同人誌っぽい匂いがぷんぷんと。
剣術の試合や立ち会いの描写は類書に比べて抜きん出て判りやすいのには驚きましたが、
著者が柳生新陰流居合道四段らしいので、そのあたりに起因していると思われます。
あと、京での新撰組隊士募集に応じて入隊したとされる斎藤一が、この小説では会津から
「預かって欲しい」と依頼されて新撰組に合流することになっています。謎の多い
斎藤一ですが、「会津間諜説」に傾いているあたくしには、興味深い設定でありました。
藤堂が主人公ということですこし期待したんですが、残念。
「新鮮組 藤堂平助」秋山 香乃 ★★
新撰組初期からのメンバーであり、後に袂を分かち、伊藤甲子太郎と共に
御陵衛士となり若くして死んだ藤堂が主人公ですが、土方と藤堂ってこんなに
緊密な関係だっけ? というのは小説ですからまあ良しとしましょう
(因みに、土方は沖田ともそんなに親密ではなかったようですよ)。
しかしなんというか、人物像を浮きだたせるためとはいえ、登場人物が
感傷的に過ぎる
(情感豊かに描くというのと、感傷的というのは違うと思うのです)。
土方はもちろん、藤堂なんてまるで少女漫画に出てくる影をもつ王子様
みたいな描かれ方。
特に、藤堂と永倉新八がじゃれ合うシーンが何度か出てくるんですが、あまりに子供っぽすぎる。
全体的に、なんか同人誌っぽい匂いがぷんぷんと。
剣術の試合や立ち会いの描写は類書に比べて抜きん出て判りやすいのには驚きましたが、
著者が柳生新陰流居合道四段らしいので、そのあたりに起因していると思われます。
あと、京での新撰組隊士募集に応じて入隊したとされる斎藤一が、この小説では会津から
「預かって欲しい」と依頼されて新撰組に合流することになっています。謎の多い
斎藤一ですが、「会津間諜説」に傾いているあたくしには、興味深い設定でありました。
藤堂が主人公ということですこし期待したんですが、残念。
「新鮮組 藤堂平助」秋山 香乃 ★★
新撰組系の本は、史実を追ったもの、小説、自伝系取り合わせて30冊以上は
読んだと思いますが、この本がピカイチです。最高です秀逸です。
「壬生義士伝」よりも「燃えよ剣」よりもぜんぜん上です。
(ちなみに前述の2作品は、あたくし的には★★★)
この本は、ひととおり新撰組の流れを押さえてから読んだほうが面白いと
思います。
オススメは「新選組二千二百四十五日」 あたりでしょうか。
新撰組の誕生から終焉まで、時系列に追えます。
結局幕末に佐幕系は一掃され、薩長を中心とした明治政府が誕生しますが、
ああ土方が生きていたら、今とは全く違った日本になっていたことでしょう。
歴史に「もし(if)」は禁物ですが、それでもそう思わずにはいられない。
「新選組幕末の青嵐」 木内 昇 ★★★★★
読んだと思いますが、この本がピカイチです。最高です秀逸です。
「壬生義士伝」よりも「燃えよ剣」よりもぜんぜん上です。
(ちなみに前述の2作品は、あたくし的には★★★)
この本は、ひととおり新撰組の流れを押さえてから読んだほうが面白いと
思います。
オススメは「新選組二千二百四十五日」 あたりでしょうか。
新撰組の誕生から終焉まで、時系列に追えます。
結局幕末に佐幕系は一掃され、薩長を中心とした明治政府が誕生しますが、
ああ土方が生きていたら、今とは全く違った日本になっていたことでしょう。
歴史に「もし(if)」は禁物ですが、それでもそう思わずにはいられない。
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(07/23)
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