本はごはん。
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当時、日本で唯一の救急精神病棟(千葉)での3年間の取材を元に書かれて
います。
人間、「知らない、判らない」もの(こと)に対しては、根源的な
恐怖を感じるものなのではないかと思います。精神病にしてもしかり。
昨日までふつうだったのに、いきなり町中で奇声をを発したり
ガラスをがんがん壊し始めたら、それは驚くと同時に「恐怖」に
包まれてしまうのではないかと思うのです。
精神病そのものおよび、その治療の実態がきちんと伝わってこない、
実際それは「入院」という名のもと、薬漬けにして長期間隔離するだけで
あった日本の精神医療の歴史に負うところが大きいわけですが、
本書を初めとし、精神病のメカニズムやその治癒率の向上など、現在では解明、改善されて
きているという情報が少なからずあるなかで、それでも単に
「精神病患者」=「怖い」=「隔離」、あるいは、「電気ショック」=「全て悪」という
思考に走るのだとすればそれは単なる「無知」なるが故と言われても仕方ない、そういう
社会への転換期にあるように思います(ちなみに「電気ショック」という言い方は今は
しないそうです)。
同時に、この千葉の救急センターでは、確固たる理念の元、彼らの信じる医療を実践し、
そして成果も上げていますが、一方で古色蒼然たる精神病院も少なからずあるのだろうと
思われ、「全般的な質の底上げ」が必須であることは言うまでもないことですが。
相変わらず綿密な取材を重ねた上で緻密に構成されており、安心して読めます。
「精神病患者のほうが恐怖に支配されている」というのは驚きました。
「文庫本のためのまえがき」に書かれているエピソードがなんとも印象的です。
「救急精神病棟/a>」 野村 進 ★★★★
います。
人間、「知らない、判らない」もの(こと)に対しては、根源的な
恐怖を感じるものなのではないかと思います。精神病にしてもしかり。
昨日までふつうだったのに、いきなり町中で奇声をを発したり
ガラスをがんがん壊し始めたら、それは驚くと同時に「恐怖」に
包まれてしまうのではないかと思うのです。
精神病そのものおよび、その治療の実態がきちんと伝わってこない、
実際それは「入院」という名のもと、薬漬けにして長期間隔離するだけで
あった日本の精神医療の歴史に負うところが大きいわけですが、
本書を初めとし、精神病のメカニズムやその治癒率の向上など、現在では解明、改善されて
きているという情報が少なからずあるなかで、それでも単に
「精神病患者」=「怖い」=「隔離」、あるいは、「電気ショック」=「全て悪」という
思考に走るのだとすればそれは単なる「無知」なるが故と言われても仕方ない、そういう
社会への転換期にあるように思います(ちなみに「電気ショック」という言い方は今は
しないそうです)。
同時に、この千葉の救急センターでは、確固たる理念の元、彼らの信じる医療を実践し、
そして成果も上げていますが、一方で古色蒼然たる精神病院も少なからずあるのだろうと
思われ、「全般的な質の底上げ」が必須であることは言うまでもないことですが。
相変わらず綿密な取材を重ねた上で緻密に構成されており、安心して読めます。
「精神病患者のほうが恐怖に支配されている」というのは驚きました。
「文庫本のためのまえがき」に書かれているエピソードがなんとも印象的です。
「救急精神病棟/a>」 野村 進 ★★★★
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