本はごはん。
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短編集ですが、全編を通して脈々と力強いタンゴのリズムが流れています。
たしかにこの著者にはタンゴの、暗い、抗い難い情熱とリズム、その底に
巣くう孤独みたいなものが良く似合う。その孤独は逃げることはおろか、
どうしても自ら絡みとられにいってしまうようなもので。
そしてそれは決してフラメンコではなく。
また、すこしゆがんだ愛の形とか、屈折しきれないビミョーに折りたた
まれてしまった心理なんかを表現するとやっぱりピカイチですね。
ひとつ、猫の短編があって、どういう巡り合わせか愛猫をなくした直後
(翌日)に目にしてしまい、目を通し始めて「これはマズイ」と思った
もののもう既に読むのも止められず、参りました。
「猫にはにんげんが泣いているとき、その涙を自分のからだに吸い取って、
悲しみを分かち合うことしかできないのだ。」(「ドブレAの悲しみ」)
「サイゴン・タンゴ・カフェ」 中山 可穂 ★★★
たしかにこの著者にはタンゴの、暗い、抗い難い情熱とリズム、その底に
巣くう孤独みたいなものが良く似合う。その孤独は逃げることはおろか、
どうしても自ら絡みとられにいってしまうようなもので。
そしてそれは決してフラメンコではなく。
また、すこしゆがんだ愛の形とか、屈折しきれないビミョーに折りたた
まれてしまった心理なんかを表現するとやっぱりピカイチですね。
ひとつ、猫の短編があって、どういう巡り合わせか愛猫をなくした直後
(翌日)に目にしてしまい、目を通し始めて「これはマズイ」と思った
もののもう既に読むのも止められず、参りました。
「猫にはにんげんが泣いているとき、その涙を自分のからだに吸い取って、
悲しみを分かち合うことしかできないのだ。」(「ドブレAの悲しみ」)
「サイゴン・タンゴ・カフェ」 中山 可穂 ★★★
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