本はごはん。
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またしても惜しい作家が逝ってしまいました。
著者との出会いは「コミュニケーション不全症候群」で、まだ若かった私に
こういう視点があるのか! と、強い衝撃を与え、
それから表紙に惹かれて「翼あるもの」を読んで再度衝撃を受けました。
この「翼あるもの」はヤヲイ系の元祖というか、まあ今で言うとボーイズ
ラブなんじゃないのと言われてしまいそうですがその範囲にとどまって
いるものでは全くなく、文学としてとても上質であると思います。
しかしよく考えてみるとこの著者の作品は6~7冊しか読んでいないのです。
おそらく「コミュニケーション不全症候群」を読んだときのインパクトが
強すぎて、それほどたくさん読んでもいないのに
「中島梓(栗本薫)=すごい作家」という刷り込みがなされたのかもしれません
(今もそれを間違っていたとは思っていませんが)。
で、この本ですが。
膵臓ガン(当初は胆管ガンだと思われていた)での闘病記です。
ガンで入院すると検査だのなんだので相当忙しいらしい、とか
手術直後は集中治療室で身体に10本くらいの管をつなげられる(まあガンの種類にもよるので
しょうが)らしい、とか
ガンの手術後って2週間も絶食する、とか
いろんな実情が判るんですが、しかし…。
何が切ないって、これが「あの」著者の文章とは…。
あの美しい表現で人間の感情と感覚の襞を紡いだ人の文章とは…。
文章そのものだけでなくおそらく思考深度も、あの頃の中島梓であればもっと鋭利に切り込んで
そこから真理の欠片みたいなものを掬い上げていたであろうに、と思われる箇所も散見され、
そして同時に「書きたい!」という叫び。
なんともせつなく、遣る瀬ない。
「ガン病棟のピーターラビット」 中島 梓 ★★★
著者との出会いは「コミュニケーション不全症候群」で、まだ若かった私に
こういう視点があるのか! と、強い衝撃を与え、
それから表紙に惹かれて「翼あるもの」を読んで再度衝撃を受けました。
この「翼あるもの」はヤヲイ系の元祖というか、まあ今で言うとボーイズ
ラブなんじゃないのと言われてしまいそうですがその範囲にとどまって
いるものでは全くなく、文学としてとても上質であると思います。
しかしよく考えてみるとこの著者の作品は6~7冊しか読んでいないのです。
おそらく「コミュニケーション不全症候群」を読んだときのインパクトが
強すぎて、それほどたくさん読んでもいないのに
「中島梓(栗本薫)=すごい作家」という刷り込みがなされたのかもしれません
(今もそれを間違っていたとは思っていませんが)。
で、この本ですが。
膵臓ガン(当初は胆管ガンだと思われていた)での闘病記です。
ガンで入院すると検査だのなんだので相当忙しいらしい、とか
手術直後は集中治療室で身体に10本くらいの管をつなげられる(まあガンの種類にもよるので
しょうが)らしい、とか
ガンの手術後って2週間も絶食する、とか
いろんな実情が判るんですが、しかし…。
何が切ないって、これが「あの」著者の文章とは…。
あの美しい表現で人間の感情と感覚の襞を紡いだ人の文章とは…。
文章そのものだけでなくおそらく思考深度も、あの頃の中島梓であればもっと鋭利に切り込んで
そこから真理の欠片みたいなものを掬い上げていたであろうに、と思われる箇所も散見され、
そして同時に「書きたい!」という叫び。
なんともせつなく、遣る瀬ない。
「ガン病棟のピーターラビット」 中島 梓 ★★★
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