本はごはん。
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ううむ。びっくりした。これはすごい。
第二次世界大戦中、徴兵忌避して逃亡生活を続けてきた主人公の、現在と
過去(逃亡時代)が交互に描かれていきます。
なりより構成が巧みで、現在のことが描かれていたのに、いつの間にか過去の
描写へ移っていたりするのですが、それでストレスを感じることもない。
『徴兵忌避』なんて言葉でしか知りませんでしたが、逃亡生活がディテール
豊かに描かれており、特高警察に対する恐れや、そして戦傷者や招集に応じた
者たちへの『引け目』『後ろめたさ』などの精神面も緻密に描かれる一方、
いやいやながらも徴兵に応じ、理不尽な軍隊内での仕打ちや、最前線の南洋の
島で食べるものもなく、先ほどまで一緒に笑っていた同胞が次の瞬間死んで
いたり、部隊全滅の中、からくも生き延びた文字通り「死線をかいくぐってきた」
経験を持つ者の独白との対比が鮮やかです。
それにしても。
緊張の連続であった逃亡生活も敗戦によって終わりを告げ、今や結婚し仕事も持ち、
いち庶民として安定した生活を営んでいた主人公ですが、結局のところ戦前はもちろん、
戦後にも彼の安息の場所はない。
ラストはやはり、主人公のこれからを暗示しているのでしょう。
タイトルも秀逸だと思います。
「笹まくら」 丸谷 才一 ★★★★
第二次世界大戦中、徴兵忌避して逃亡生活を続けてきた主人公の、現在と
過去(逃亡時代)が交互に描かれていきます。
なりより構成が巧みで、現在のことが描かれていたのに、いつの間にか過去の
描写へ移っていたりするのですが、それでストレスを感じることもない。
『徴兵忌避』なんて言葉でしか知りませんでしたが、逃亡生活がディテール
豊かに描かれており、特高警察に対する恐れや、そして戦傷者や招集に応じた
者たちへの『引け目』『後ろめたさ』などの精神面も緻密に描かれる一方、
いやいやながらも徴兵に応じ、理不尽な軍隊内での仕打ちや、最前線の南洋の
島で食べるものもなく、先ほどまで一緒に笑っていた同胞が次の瞬間死んで
いたり、部隊全滅の中、からくも生き延びた文字通り「死線をかいくぐってきた」
経験を持つ者の独白との対比が鮮やかです。
それにしても。
緊張の連続であった逃亡生活も敗戦によって終わりを告げ、今や結婚し仕事も持ち、
いち庶民として安定した生活を営んでいた主人公ですが、結局のところ戦前はもちろん、
戦後にも彼の安息の場所はない。
ラストはやはり、主人公のこれからを暗示しているのでしょう。
タイトルも秀逸だと思います。
「笹まくら」 丸谷 才一 ★★★★
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