本はごはん。
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あまり期待しないで読んだんですが、思ったより良い本でした。
謎についてはいろんな解釈があり得ると思います。
私には私の解釈がありますが、それを書くのは控えておきます。
主人公は教師、しかも障害児教室の教師という所謂「聖職」に就きながら
極めて「俗物」でありますが、現実的にはこんなもんでしょう。教師としての
経験を積むうちに、対象(学校そのものや障害児、その親)との距離の
置き方や自分の気持ちの割り切り方、なんかを身につけていかないと、
身がもたないのかも知れません。
一方で、現実に障害児と対峙し連日悪戦苦闘している身からすれば、自分の
手は一切汚さないくせに正論ばかり吐かれたら反発したくなる気持ちも
わかります。
反発しながら口には出せない小市民的なところも。
つまり結構リアルです。
しかしこの主人公の奥さん、夫(主人公)に「見下されている」という劣等感を拭うことが
出来ず苦しんできましたが、重度障害者の自宅介護を進んで請け負ったり、最終的に
「殺人未遂の犯人である夫(と彼女は信じている)」を待つことによって、
自分を見下してきた夫に、自分を認めてもらおうとしているように感じます。
愛は縮んでも、そこまで執着できるものなんでしょうかね。
そんな妻の想いを感じつつ、自分は無実であるにも関わらずその役(=妻が信じるところの
殺人未遂犯)を演じようとしている夫は、かつてのように妻を見下していると言うよりは、
彼女が真実を知ることから守ろうとしているのかもしれません。
と、いうことは。
その「真実」は彼女に、「夫が殺人未遂犯である」以上の大きなインパクトを与えかねない
もの、ということなのかもしれません。
そしてそして。
更にもしかしたら、他の誰かも同時に守ってるかもしれませんね。
あ、著者がいちばん書きたかったのは「障害者と社会」だそうで、そういう意味でも
良書だと思いますが、もうすこしリズム感というかメリハリというか、そういうのを
出して欲しい気がします。
「縮んだ愛」 佐川 光晴 ★★★
謎についてはいろんな解釈があり得ると思います。
私には私の解釈がありますが、それを書くのは控えておきます。
主人公は教師、しかも障害児教室の教師という所謂「聖職」に就きながら
極めて「俗物」でありますが、現実的にはこんなもんでしょう。教師としての
経験を積むうちに、対象(学校そのものや障害児、その親)との距離の
置き方や自分の気持ちの割り切り方、なんかを身につけていかないと、
身がもたないのかも知れません。
一方で、現実に障害児と対峙し連日悪戦苦闘している身からすれば、自分の
手は一切汚さないくせに正論ばかり吐かれたら反発したくなる気持ちも
わかります。
反発しながら口には出せない小市民的なところも。
つまり結構リアルです。
しかしこの主人公の奥さん、夫(主人公)に「見下されている」という劣等感を拭うことが
出来ず苦しんできましたが、重度障害者の自宅介護を進んで請け負ったり、最終的に
「殺人未遂の犯人である夫(と彼女は信じている)」を待つことによって、
自分を見下してきた夫に、自分を認めてもらおうとしているように感じます。
愛は縮んでも、そこまで執着できるものなんでしょうかね。
そんな妻の想いを感じつつ、自分は無実であるにも関わらずその役(=妻が信じるところの
殺人未遂犯)を演じようとしている夫は、かつてのように妻を見下していると言うよりは、
彼女が真実を知ることから守ろうとしているのかもしれません。
と、いうことは。
その「真実」は彼女に、「夫が殺人未遂犯である」以上の大きなインパクトを与えかねない
もの、ということなのかもしれません。
そしてそして。
更にもしかしたら、他の誰かも同時に守ってるかもしれませんね。
あ、著者がいちばん書きたかったのは「障害者と社会」だそうで、そういう意味でも
良書だと思いますが、もうすこしリズム感というかメリハリというか、そういうのを
出して欲しい気がします。
「縮んだ愛」 佐川 光晴 ★★★
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