bookshelf 『調べる技術・書く技術』 野村 進 忍者ブログ
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51H-n55VoqL._SL160_.jpg  ノンフィクション・ライターの第一人者であり、
 「千年、働いてきましたー老舗企業大国ニッポン」の著者でもある野村氏による
 「ノンフィクション・ライター入門講座」のような実用書です。

 しかし内容が濃い。ものすごく濃い。
 もともとこの著者は、風景とか背景とかから入っていく書き方が特徴的だと
 思っていましたが、やはりそこには著者の信念と、膨大で地道な作業が背後に
 あるのだということがよくわかります。

 実用書としてだけではなく、後半かなり多くのノンフィクションが「例文」と
 して引用されておりその面白さは尋常ではなく、参考文献リストともに
 「名ノンフィクションの紹介書」としても秀逸だと思います。

 更に言うならば、これは「ノンフィクション・ライターを目指す人」以外の多くのひとにも
 役に立つ、言い換えれば通常のビジネスにも応用可能なことがたくさんつまっています。

 現代の経済社会に於ける優秀なビジネスマンというのは、基本的に課題解決型提案のできる
 ひとのことであり、課題解決型提案をするにはまず、先方のことを知らなければ話に
 なりません。「御社の課題は何ですか?」と聴いて、「それは○○です」というような
 ことではなくて、先方の潜在意識の中にはあるのだけれど顕在化されていない、もしくは
 無意識のうちに眼をそらしているような課題をすくい上げ、その解決策と同時に提案する
 のが、本来のホワイト・カラーの仕事であります。

 そういった先方も意識していない、顕在化していないような、しかし漠然とした不安のような
 ものを引きずり出し(事前調査とインタビュー、取材)、企画(構成)し、プレゼン(最終文章化)
 するという一連のビジネス・プロセスにそのまま転用可能です。

 しかし。
 実行は難しいなきっと。

 ほんと、さすがにプロだなぁと唸らせる名著です。


調べる技術・書く技術」 野村 進 ★★★★
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