本はごはん。
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結論。池永陽は、時代物を著すべきである。
と思う。まあ、この著者の時代物はまだこの作品しか読んでいないので、
断定するにはまだちょっと早いけど。
なんだかんだと池永作品は結構読んでいるのですが、そして間違いなく
好きな作家のひとりではあるのですが、いつも何かがちょっと足りない
というかあと一歩というかあと一声というか、そんな読後感であることが
否めなかったのですが、
この作品、つまり時代物(での表現)というのが、この著者の文体が持つ
ウエットな空気感とか、甘さとぎりぎり紙一重の優しさ、みたいなものが
とても良く合っているように思います。
仇討ちのために江戸へ出てきた武士が、自分の首に懸賞金をかけられたり周りの貧しい人々を
救ったりという所謂「人情もの」ですが、彼が最後に出した結論が、非常に現代的だと思う。
当時の武士は、こんな結論は出したくても出せなかったんじゃないかとも思う。
でもそこもひっくるめて、この著者の持つ、「甘ったるいと言われかねない優しさ」や
「折れてしまいそうな強さ」が、「時代物」「人情もの」ととても相性が良いように
思ったのでありました。
「雲を斬る」 池永 陽 ★★★★
と思う。まあ、この著者の時代物はまだこの作品しか読んでいないので、
断定するにはまだちょっと早いけど。
なんだかんだと池永作品は結構読んでいるのですが、そして間違いなく
好きな作家のひとりではあるのですが、いつも何かがちょっと足りない
というかあと一歩というかあと一声というか、そんな読後感であることが
否めなかったのですが、
この作品、つまり時代物(での表現)というのが、この著者の文体が持つ
ウエットな空気感とか、甘さとぎりぎり紙一重の優しさ、みたいなものが
とても良く合っているように思います。
仇討ちのために江戸へ出てきた武士が、自分の首に懸賞金をかけられたり周りの貧しい人々を
救ったりという所謂「人情もの」ですが、彼が最後に出した結論が、非常に現代的だと思う。
当時の武士は、こんな結論は出したくても出せなかったんじゃないかとも思う。
でもそこもひっくるめて、この著者の持つ、「甘ったるいと言われかねない優しさ」や
「折れてしまいそうな強さ」が、「時代物」「人情もの」ととても相性が良いように
思ったのでありました。
「雲を斬る」 池永 陽 ★★★★
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