本はごはん。
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禅僧による小説です。
23歳で自殺してしまった女性の周りの人たちの視点を通して女性が描かれて
いきます。それを通して、彼女もいろいろあったんだなぁと思うのですが、
しかし死ぬほどのことだったんだろうか、とも同時に思うのです。
つまり何人かの(もしくは何人もの)見方を重ねてみたところで、
「自殺の理由」なんて判らないわけです。誰にも。もしかしたら本人にも。
副題についている「神の庭」というのは、そういうことを指しているの
かなぁ、と思います。人間には見ることも聴くことも識ることもできない
神の領域、みたいなもの。
「シンクロニシティ」についても描かれていますが、これも「神の庭の遊戯」なのかも。
宗教的哲学的な見地と、それに物理学(?)的な考え方と、沖縄の宗教観(死生観)まで
織り重なっていてちょっと整理するのに手間取りますが、結局本質は一緒なんだろうなと。
ただ、「慈悲」というのは難しいな、と。「赦し」もまたしかり。
「甘え」とか「逃避」とか「思い上がり」とか「傲慢さ」みたいなものが簡単にすり替わって
しまう危険を、どうしても感じる。
「リーラ―神の庭の遊戯」 玄侑 宗久 ★★★★
23歳で自殺してしまった女性の周りの人たちの視点を通して女性が描かれて
いきます。それを通して、彼女もいろいろあったんだなぁと思うのですが、
しかし死ぬほどのことだったんだろうか、とも同時に思うのです。
つまり何人かの(もしくは何人もの)見方を重ねてみたところで、
「自殺の理由」なんて判らないわけです。誰にも。もしかしたら本人にも。
副題についている「神の庭」というのは、そういうことを指しているの
かなぁ、と思います。人間には見ることも聴くことも識ることもできない
神の領域、みたいなもの。
「シンクロニシティ」についても描かれていますが、これも「神の庭の遊戯」なのかも。
宗教的哲学的な見地と、それに物理学(?)的な考え方と、沖縄の宗教観(死生観)まで
織り重なっていてちょっと整理するのに手間取りますが、結局本質は一緒なんだろうなと。
ただ、「慈悲」というのは難しいな、と。「赦し」もまたしかり。
「甘え」とか「逃避」とか「思い上がり」とか「傲慢さ」みたいなものが簡単にすり替わって
しまう危険を、どうしても感じる。
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