本はごはん。
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引き続き直木賞ものを。
粒揃いの短編集ですね。すべての短編がここまで立っているのもめずらしい。
6本の短編が収められています。
見なかったことにして、自分の心の疼きすら気がつかなかったことにして
生きていくこともできるのかもしれません。
しかしそれを無視できない因果な(?)性格を持ってしまっていたら、
あとはもうじたばたと足掻くしかなく、
この短編集は、そんな人たちがそれぞれのやりかたで「じたばたと足掻き」、
むっとしたりため息をついたりしながらも新しい明日を見つける、
というより創りあげていく。
それぞれの短編は登場人物の置かれた立場もその環境も、表層的な部分はもちろん雰囲気も
全部違うのですが、全編通して、自分にとっての「大切な何か」とは何なのかを自覚して
しまった人たちがそれから目をそらさず、対峙していく哀しみと希望が鮮やかに描かれています。
表題にもなっている「風に舞い上がるビニールシート」のなかに、
「どんなに激しく交わっても、毎日のように愛をささやきあっても、どこか本質のところで
他人を切り離しているような、一番生身の暖かい部分は誰にも触れさせないような。」
という表現が出てきますが、親子であろうと夫婦であろうと、恋人であろうと親友であろうと
「一番生身の暖かい部分に触れること」なんてできるんでしょうか。
自分の一番生身の暖かい部分を「触れさせることができない」から、
相手の一番生身の暖かい部分も「触れることができない」んでしょうか。
それとも、
「愛しぬくことも愛されぬくこともできな」いから、なんでしょうか。
「風に舞いあがるビニールシート」 森 絵都 ★★★★
粒揃いの短編集ですね。すべての短編がここまで立っているのもめずらしい。
6本の短編が収められています。
見なかったことにして、自分の心の疼きすら気がつかなかったことにして
生きていくこともできるのかもしれません。
しかしそれを無視できない因果な(?)性格を持ってしまっていたら、
あとはもうじたばたと足掻くしかなく、
この短編集は、そんな人たちがそれぞれのやりかたで「じたばたと足掻き」、
むっとしたりため息をついたりしながらも新しい明日を見つける、
というより創りあげていく。
それぞれの短編は登場人物の置かれた立場もその環境も、表層的な部分はもちろん雰囲気も
全部違うのですが、全編通して、自分にとっての「大切な何か」とは何なのかを自覚して
しまった人たちがそれから目をそらさず、対峙していく哀しみと希望が鮮やかに描かれています。
表題にもなっている「風に舞い上がるビニールシート」のなかに、
「どんなに激しく交わっても、毎日のように愛をささやきあっても、どこか本質のところで
他人を切り離しているような、一番生身の暖かい部分は誰にも触れさせないような。」
という表現が出てきますが、親子であろうと夫婦であろうと、恋人であろうと親友であろうと
「一番生身の暖かい部分に触れること」なんてできるんでしょうか。
自分の一番生身の暖かい部分を「触れさせることができない」から、
相手の一番生身の暖かい部分も「触れることができない」んでしょうか。
それとも、
「愛しぬくことも愛されぬくこともできな」いから、なんでしょうか。
「風に舞いあがるビニールシート」 森 絵都 ★★★★
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