本はごはん。
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タイトルの通り、阪急電車を舞台とした連作です。
阪急電車に馴染みのある人にはもっとしみじみくるのかな。
阪急電車を利用する人々が、時にすれ違い時にささやかに交わって
いくのですが、何気ない日常の中に潜む機微を、簡潔に掬い上げて
いるのは見事です。
文体がちょっと軽いけど、それが合っているようにも思います。
ただ思うのは、電車が舞台ですからそれちょっとどうなんですか的
些細なトラブル(にまで至らないものも含めて)取り上げられていて、
それはバッグを放り投げて座席を確保するおばさんだったりするの
ですが、
これを読んだ人は私も含めて、「そんな非常識なことはしない!」と思っているのだと思うのです。
でも、一歩間違えれば(座席確保にバッグは投げないにしても)、自分も同じ側の人間に、
いつの間にかなってしまっていた、ということが往々にしてあり得るのではないかと。
それは「しない」という行為だけではなくて(非常識なことはしないのが当たり前)、必要な時には
声を挙げる、手をさしのべるということができなければ、結局そちら側の人間に賛同したことに
なって、気がついたら自分もそちら側の人間にすっかりなってしまっていた、というような。
そんな危険性を孕んでいるのだと言うことを忘れないでおこうと思う。
「阪急電車」 有川 浩 ★★★
阪急電車に馴染みのある人にはもっとしみじみくるのかな。
阪急電車を利用する人々が、時にすれ違い時にささやかに交わって
いくのですが、何気ない日常の中に潜む機微を、簡潔に掬い上げて
いるのは見事です。
文体がちょっと軽いけど、それが合っているようにも思います。
ただ思うのは、電車が舞台ですからそれちょっとどうなんですか的
些細なトラブル(にまで至らないものも含めて)取り上げられていて、
それはバッグを放り投げて座席を確保するおばさんだったりするの
ですが、
これを読んだ人は私も含めて、「そんな非常識なことはしない!」と思っているのだと思うのです。
でも、一歩間違えれば(座席確保にバッグは投げないにしても)、自分も同じ側の人間に、
いつの間にかなってしまっていた、ということが往々にしてあり得るのではないかと。
それは「しない」という行為だけではなくて(非常識なことはしないのが当たり前)、必要な時には
声を挙げる、手をさしのべるということができなければ、結局そちら側の人間に賛同したことに
なって、気がついたら自分もそちら側の人間にすっかりなってしまっていた、というような。
そんな危険性を孕んでいるのだと言うことを忘れないでおこうと思う。
「阪急電車」 有川 浩 ★★★
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