本はごはん。
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なかなか重たい本ですね。
白血病の姉を救うべく、完全適性ドナーとして生み出された
デザイナー・ベイビーである妹。
彼女は両親に愛されて育ちますが、その愛は自分が姉の
完全ドナーであることから来る愛ではないのか、そう疑問に
思っても仕方ないですね。
彼女の視点だけではなく、父親、母親、姉、兄、弁護士など、
この件に関わる人物の視点で順に、複眼的に展開されていく
ので、誰かが決定的に悪いともかわいそうとも断定できない、
上手い構成になっています。
彼女は13歳になって、姉への臓器提供を拒否すべく弁護士を自分で調達して両親を訴え
ますが、このあたりはかなりアメリカ的ですね。
そして、白血病の娘(姉)も臓器提供サイドの娘(妹)も平等に愛していると言い切る母親の
ちょっと傲慢にすら思える思い込みもアメリカ的なのかしら。
恐らく、これは誰も裁くことの出来ない問題ですが、裁判を通してそれぞれが自分自身と
家族を見つめ直していく過程が、上手く描かれています。
裁判の結果どちらが勝利しても、彼らの苦悩は形を変えて続くはずでしたが、ラストは
「やっぱりな…」と思いつつ、こういう形のピリオドの打ち方はさすがプロだと思うと同時に、
ちょっと遣る瀬なく、かつ強制終了を食らったようにも感じます。
この本はいろんな読み方が出来ると思うのですが、それは例えば、デザイナーベイビーや
生体間臓器移植の是非についてはもちろん、親の「愛という名の支配」もしくは
「愛を振りかざした無言の圧力」と、子供の自我との戦い、つまりは子供の自立の物語とか。
ただ、彼女の「嘘」を考えるとき、それらは一転し、まったく別の世界が立ち上がってきます。
タイトルの秀逸さと併せて、萩尾望都の「半神」を彷彿とさせるのであります。
「私の中のあなた(上)(下)」 ジョディ・ピコー ★★★★
白血病の姉を救うべく、完全適性ドナーとして生み出された
デザイナー・ベイビーである妹。
彼女は両親に愛されて育ちますが、その愛は自分が姉の
完全ドナーであることから来る愛ではないのか、そう疑問に
思っても仕方ないですね。
彼女の視点だけではなく、父親、母親、姉、兄、弁護士など、
この件に関わる人物の視点で順に、複眼的に展開されていく
ので、誰かが決定的に悪いともかわいそうとも断定できない、
上手い構成になっています。
彼女は13歳になって、姉への臓器提供を拒否すべく弁護士を自分で調達して両親を訴え
ますが、このあたりはかなりアメリカ的ですね。
そして、白血病の娘(姉)も臓器提供サイドの娘(妹)も平等に愛していると言い切る母親の
ちょっと傲慢にすら思える思い込みもアメリカ的なのかしら。
恐らく、これは誰も裁くことの出来ない問題ですが、裁判を通してそれぞれが自分自身と
家族を見つめ直していく過程が、上手く描かれています。
裁判の結果どちらが勝利しても、彼らの苦悩は形を変えて続くはずでしたが、ラストは
「やっぱりな…」と思いつつ、こういう形のピリオドの打ち方はさすがプロだと思うと同時に、
ちょっと遣る瀬なく、かつ強制終了を食らったようにも感じます。
この本はいろんな読み方が出来ると思うのですが、それは例えば、デザイナーベイビーや
生体間臓器移植の是非についてはもちろん、親の「愛という名の支配」もしくは
「愛を振りかざした無言の圧力」と、子供の自我との戦い、つまりは子供の自立の物語とか。
ただ、彼女の「嘘」を考えるとき、それらは一転し、まったく別の世界が立ち上がってきます。
タイトルの秀逸さと併せて、萩尾望都の「半神」を彷彿とさせるのであります。
「私の中のあなた(上)(下)」 ジョディ・ピコー ★★★★
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