本はごはん。
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「みのもんた」をはじめ、著名人と同姓同名の強烈なキャラクターが
繰り広げる、大笑いしちゃうんだけどなんともシュールな世界です。
かなりきわどい世界を、きわどい文体で展開していてなかなかにすごい。
なんというか、これ以上崩したらぐちゃぐちゃになる一歩手前のところ
というか。
しかし乱一世の「11PM」ネタとか、イマドキの人に判るのだろうか。
「実在の人物とは何の関係もなく、同じ名前の別の人、としてお読み下さい」
とありますが、はっきり言って無理です。どーしても本人と重ねてしまいます。
しかしこっちのキャラクターのほうが強烈です。
「同姓同名小説 」 松尾 スズキ ★★★
繰り広げる、大笑いしちゃうんだけどなんともシュールな世界です。
かなりきわどい世界を、きわどい文体で展開していてなかなかにすごい。
なんというか、これ以上崩したらぐちゃぐちゃになる一歩手前のところ
というか。
しかし乱一世の「11PM」ネタとか、イマドキの人に判るのだろうか。
「実在の人物とは何の関係もなく、同じ名前の別の人、としてお読み下さい」
とありますが、はっきり言って無理です。どーしても本人と重ねてしまいます。
しかしこっちのキャラクターのほうが強烈です。
「同姓同名小説 」 松尾 スズキ ★★★
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もう、文句なしに面白いです。
江戸城内部の詳細を紹介しながら、徳川の政治システムも紹介しています。
データや図版が豊富です。江戸城全体地図、江戸城内の間取り図もあるので、
さくらや菖蒲なんかを目当てに何度か散歩に行った皇居の現在の地図を脳内で
当てはめてみたりして、ほんとに楽しいです。
確か、『「松の廊下」はこのあたりにありました』みたいな表示が実際に
あったのですが、この本を見ると確かにそのあたりに。
公式行事などを執り行う『表』、将軍の居住空間である『奥』、そして例の
『大奥』と、それぞれがどんな間取りで、それが政治的にどんな役割を果たして
いたか丁寧に解説されており、間取りが将軍の威光を最大限に演出するために
とても上手く使われていることがわかります。
良く耳にするこの時代の役職『老中』『奉行』『目付』『小姓』などなども、組織図で
示されているのでその関係性が大変判りやすい。
将軍が社長だとすると、社長秘書は側衆(側用人)、老中は執行役員でその秘書が奥右筆。
将軍が首相だとすると、幹事長が側衆(側用人)、老中は大臣で事務次官が奥右筆。
で、ですよ。
奥右筆は老中から、各種案件の検討を指示され、検討の上対策案を提出するんですが
(正式なコマンドラインは、老中ー若年寄ー奥右筆)、老中は奥右筆があげてきた
プランを、ほぼ丸呑みしていた(時期があった)んだそうですよ!
老中は、大名でないと就任できません。
奥御右筆は大名でなくても旗本以上(?)であれば、就職できたようです。
つまり、この時代からもう官僚政治みたいなことが行われていたということなんでしょうか。
だとしたら(だからこそ?)そう簡単には官僚政治は崩れないのかもしれません。
大奥とハーレムの違いとか、やっぱり吉宗って名君だったんだなぁとか、情報量も豊富。
間取り図や組織図などを合わせて当時の政治システムを解説するという手法自体も、
面白いアプローチだと思いました。
「江戸城―本丸御殿と幕府政治 」 深井 雅海 ★★★★★
江戸城内部の詳細を紹介しながら、徳川の政治システムも紹介しています。
データや図版が豊富です。江戸城全体地図、江戸城内の間取り図もあるので、
さくらや菖蒲なんかを目当てに何度か散歩に行った皇居の現在の地図を脳内で
当てはめてみたりして、ほんとに楽しいです。
確か、『「松の廊下」はこのあたりにありました』みたいな表示が実際に
あったのですが、この本を見ると確かにそのあたりに。
公式行事などを執り行う『表』、将軍の居住空間である『奥』、そして例の
『大奥』と、それぞれがどんな間取りで、それが政治的にどんな役割を果たして
いたか丁寧に解説されており、間取りが将軍の威光を最大限に演出するために
とても上手く使われていることがわかります。
良く耳にするこの時代の役職『老中』『奉行』『目付』『小姓』などなども、組織図で
示されているのでその関係性が大変判りやすい。
将軍が社長だとすると、社長秘書は側衆(側用人)、老中は執行役員でその秘書が奥右筆。
将軍が首相だとすると、幹事長が側衆(側用人)、老中は大臣で事務次官が奥右筆。
で、ですよ。
奥右筆は老中から、各種案件の検討を指示され、検討の上対策案を提出するんですが
(正式なコマンドラインは、老中ー若年寄ー奥右筆)、老中は奥右筆があげてきた
プランを、ほぼ丸呑みしていた(時期があった)んだそうですよ!
老中は、大名でないと就任できません。
奥御右筆は大名でなくても旗本以上(?)であれば、就職できたようです。
つまり、この時代からもう官僚政治みたいなことが行われていたということなんでしょうか。
だとしたら(だからこそ?)そう簡単には官僚政治は崩れないのかもしれません。
大奥とハーレムの違いとか、やっぱり吉宗って名君だったんだなぁとか、情報量も豊富。
間取り図や組織図などを合わせて当時の政治システムを解説するという手法自体も、
面白いアプローチだと思いました。
「江戸城―本丸御殿と幕府政治 」 深井 雅海 ★★★★★
若手弁護士を主人公とした連作短編集です。
この弁護士の設定が、人間くさくてなかなかいいです。
お金がなくて毎月月末には四苦八苦していて、手間ばかりかかってお金に
ならない「当番弁護士」をとても嫌がっていたり、安易な策で手を打とうと
したり。
5編の短編は、ちょっと都合が良いのではと思う部分もなくはないけれど
どれもなかなか面白く、とくに「鑑定証拠」というDNA鑑定をテーマとした
短編がとても印象に残りました。
DNA鑑定の盲点というか落とし穴が判りやすく説明されており、何より法定で
検察側証人であるDNA鑑定士に、弁護士が反対尋問するシーンが圧巻です。
弁護士が反対尋問に於いて証拠崩し、心証形成、新たな証言を引き出す場合、
このように畳みかけていくのであろう実際のテクニックを垣間見たように思います。
しかしこの手の本を読むといつも、相対的な正義ではなく、絶対的な正義って何なのだろうか、
そもそもそんなもんが存在するんだろうかと考えてしまいます。
「第一級殺人弁護 」 中嶋 博行 ★★★★
この弁護士の設定が、人間くさくてなかなかいいです。
お金がなくて毎月月末には四苦八苦していて、手間ばかりかかってお金に
ならない「当番弁護士」をとても嫌がっていたり、安易な策で手を打とうと
したり。
5編の短編は、ちょっと都合が良いのではと思う部分もなくはないけれど
どれもなかなか面白く、とくに「鑑定証拠」というDNA鑑定をテーマとした
短編がとても印象に残りました。
DNA鑑定の盲点というか落とし穴が判りやすく説明されており、何より法定で
検察側証人であるDNA鑑定士に、弁護士が反対尋問するシーンが圧巻です。
弁護士が反対尋問に於いて証拠崩し、心証形成、新たな証言を引き出す場合、
このように畳みかけていくのであろう実際のテクニックを垣間見たように思います。
しかしこの手の本を読むといつも、相対的な正義ではなく、絶対的な正義って何なのだろうか、
そもそもそんなもんが存在するんだろうかと考えてしまいます。
「第一級殺人弁護 」 中嶋 博行 ★★★★
前にも書いたとおり、浅田次郎はもういいやと思っていたのですが、
「明治維新直後、激動に晒されたの名もない武士たちの姿を描く」、
などと言われるともう弱いのです。
鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争、函館戦争という動乱を経て明治維新。
明治維新とはそれまでに人々の生活どころか、価値観までも
ひっくり返してしまいます。
そのなかで、新しい価値観の中を生きることに適わず途方に暮れながらも
しかしそれぞれの「始末」のつけかたが鮮やかです。
これは小説ですが、こういう話はきっと在野にたくさんあったのでは
ないかなぁ。
しかし相変わらず「浅田節」炸裂です。「浅田節」は特に歴史ものと特に
相性がいいですね。
付録に当時の地図がついてたんですが、これがもう楽しいのなんのって。
「五郎治殿御始末 」 浅田 次郎 ★★★
「明治維新直後、激動に晒されたの名もない武士たちの姿を描く」、
などと言われるともう弱いのです。
鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争、函館戦争という動乱を経て明治維新。
明治維新とはそれまでに人々の生活どころか、価値観までも
ひっくり返してしまいます。
そのなかで、新しい価値観の中を生きることに適わず途方に暮れながらも
しかしそれぞれの「始末」のつけかたが鮮やかです。
これは小説ですが、こういう話はきっと在野にたくさんあったのでは
ないかなぁ。
しかし相変わらず「浅田節」炸裂です。「浅田節」は特に歴史ものと特に
相性がいいですね。
付録に当時の地図がついてたんですが、これがもう楽しいのなんのって。
「五郎治殿御始末 」 浅田 次郎 ★★★
著者は現役のお医者さんで、うつ病を患っていらっしゃるようです。
タイトルにもなっているひとつ目の短編「家族」は、限りなく自叙伝に近い
ようですね。
死を目前にした年老いた父親をめぐり、息子(著者)、姉、義母、そして
死にゆく父本人のそれぞれの心情が展開されていきますが、
同じ状況の中にあって、家族でありながらも思うことはばらばらで、そして
事実に対する認識ですら異なる「家族の現実」が描かれています。
しかしそれでも「家族」なんでしょう。
エッセイ風の短編も収められていますが、そのなかでとても驚愕することが。
80歳を超えるおばあちゃん、長年働き続けて首のしわの中まで真っ黒に日焼け
しています。
このおばあちゃん、自分の主治医である著者の作品(著書)はすべて読んでいます。
これだけでもびっくりなのに、ある日このおばあちゃんは
「あんたの文章は静かでいいけれど、書くことがみんな後ろ向き過ぎていけない。
これはあたしが若いころに読んで、力をもらった本だからあんたも読みなさい」
と、岩波文庫の『自省録 』(マルクス・アウレリウス著)を、著者に差し出すのです。
これが驚愕せずにいられようか。
古い時代に生き、嫁ぎ先に仕え子供を育て、働きずめでありながら、お風呂をまきで焚きながら
本を読んでいたのです。そして今も。
おそらく暮らしはさほど豊かでもなく、自由も自分の時間も持てなかったであろうおばあさん
ですが、なんと心は豊かで、自由だったのか。
こういう人を本当の文化人というのではないかと思う。
あたしも「自省録」読んでみよう。
「家族 」 南木 佳士 ★★★
タイトルにもなっているひとつ目の短編「家族」は、限りなく自叙伝に近い
ようですね。
死を目前にした年老いた父親をめぐり、息子(著者)、姉、義母、そして
死にゆく父本人のそれぞれの心情が展開されていきますが、
同じ状況の中にあって、家族でありながらも思うことはばらばらで、そして
事実に対する認識ですら異なる「家族の現実」が描かれています。
しかしそれでも「家族」なんでしょう。
エッセイ風の短編も収められていますが、そのなかでとても驚愕することが。
80歳を超えるおばあちゃん、長年働き続けて首のしわの中まで真っ黒に日焼け
しています。
このおばあちゃん、自分の主治医である著者の作品(著書)はすべて読んでいます。
これだけでもびっくりなのに、ある日このおばあちゃんは
「あんたの文章は静かでいいけれど、書くことがみんな後ろ向き過ぎていけない。
これはあたしが若いころに読んで、力をもらった本だからあんたも読みなさい」
と、岩波文庫の『自省録 』(マルクス・アウレリウス著)を、著者に差し出すのです。
これが驚愕せずにいられようか。
古い時代に生き、嫁ぎ先に仕え子供を育て、働きずめでありながら、お風呂をまきで焚きながら
本を読んでいたのです。そして今も。
おそらく暮らしはさほど豊かでもなく、自由も自分の時間も持てなかったであろうおばあさん
ですが、なんと心は豊かで、自由だったのか。
こういう人を本当の文化人というのではないかと思う。
あたしも「自省録」読んでみよう。
「家族 」 南木 佳士 ★★★
映画化されるそうですね。
「幼児売買」「幼児売買春」「臓器売買」ー。
これは小説ではありますが、実際にこのようなことはあるのでしょう。
8歳で売られ、調教されて客を取らされ、エイズが発症すればゴミ袋に
入れられて捨てられてしまう。確かにショッキングなことです。
確かにそれに近い事実が現実にあるのだと思いますが、この小説を現実と
同一視するのはちょっと危険だなぁと思います。
実際、タイで心臓移植手術というのは聴いたことがないし、また新聞社の
記者が取材をするときに一般人を同行させたりしてますが、それはちょっと
あり得ないのではないか、特にこのようなケースでは…、とか。
あとどうしても気になったのは、
息子が心臓病でもって半年、恐らくその間にドナーは現れないので4,000万円でタイで臓器移植を
決めた母親に、NGOの職員が、
「生きた子から臓器を取り出して移植することになるのでやめて欲しい」と言うと、母親が
「うちの子供に死ねと言うのですかっ!」と激高するシーンがあるのですが、いくら小説とはいえ
ちょっとそれは世の中の母親に対して酷すぎないか。
それに、こんな書かれ方されて世の中のNGOの関係者は怒らないんだろうか。
あまりにも無能な書かれ方をされてるようにしか思えない。
しかしまあそれらは些末なことで、恐らくこの本は最後の2ページのために書かれたのでしょう。
確かにあたしは「こちら側」の人間で「あちら側」には行けないけど
でも全員が「あちら側」に行けば問題は解決するのか。
「こちら側」で出来ることをしていくしかないしそのためにはまず「知る」「知らしめる」
ということが必須ではないのか。
現実から目を逸らすのではなく、「何も出来ない(に等しい)自分」という現実も含めて
背負っていくしかないんじゃないかと、そんな風に思いました。
「闇の子供たち 」 梁 石日 ★★★★
「幼児売買」「幼児売買春」「臓器売買」ー。
これは小説ではありますが、実際にこのようなことはあるのでしょう。
8歳で売られ、調教されて客を取らされ、エイズが発症すればゴミ袋に
入れられて捨てられてしまう。確かにショッキングなことです。
確かにそれに近い事実が現実にあるのだと思いますが、この小説を現実と
同一視するのはちょっと危険だなぁと思います。
実際、タイで心臓移植手術というのは聴いたことがないし、また新聞社の
記者が取材をするときに一般人を同行させたりしてますが、それはちょっと
あり得ないのではないか、特にこのようなケースでは…、とか。
あとどうしても気になったのは、
息子が心臓病でもって半年、恐らくその間にドナーは現れないので4,000万円でタイで臓器移植を
決めた母親に、NGOの職員が、
「生きた子から臓器を取り出して移植することになるのでやめて欲しい」と言うと、母親が
「うちの子供に死ねと言うのですかっ!」と激高するシーンがあるのですが、いくら小説とはいえ
ちょっとそれは世の中の母親に対して酷すぎないか。
それに、こんな書かれ方されて世の中のNGOの関係者は怒らないんだろうか。
あまりにも無能な書かれ方をされてるようにしか思えない。
しかしまあそれらは些末なことで、恐らくこの本は最後の2ページのために書かれたのでしょう。
確かにあたしは「こちら側」の人間で「あちら側」には行けないけど
でも全員が「あちら側」に行けば問題は解決するのか。
「こちら側」で出来ることをしていくしかないしそのためにはまず「知る」「知らしめる」
ということが必須ではないのか。
現実から目を逸らすのではなく、「何も出来ない(に等しい)自分」という現実も含めて
背負っていくしかないんじゃないかと、そんな風に思いました。
「闇の子供たち 」 梁 石日 ★★★★
幕末から明治維新にかけての新撰組ものや会津ものや徳川ものに必ずと
いっていいほど出てくる医者「松本良順」の足跡を追ったモノです。
前述したとおり幕末モノにはよく登場する人物なのでよく知っていたつもり
でしたが、全然知らないことばっかりでした。
多くの歴史物で彼はどちらかというと脇役でありましたが、彼を主人公とする
ことで、彼の目を通して描かれる幕府の重臣や松平容守、新撰組近藤土方など
の姿が新鮮です。
この時代、医者も武士なんですね。激動の時代でありながら自分の信じる道を
行く生き様は、潔く凛としています。
晩年の彼を襲った、まるで連鎖するかのような身内の不幸は気の毒としか言いようがありませんが、
それにしてもこの時代、すごいひとが沢山いたのだなぁと改めて思います。
「暁の旅人 」 吉村 昭 ★★★★★
いっていいほど出てくる医者「松本良順」の足跡を追ったモノです。
前述したとおり幕末モノにはよく登場する人物なのでよく知っていたつもり
でしたが、全然知らないことばっかりでした。
多くの歴史物で彼はどちらかというと脇役でありましたが、彼を主人公とする
ことで、彼の目を通して描かれる幕府の重臣や松平容守、新撰組近藤土方など
の姿が新鮮です。
この時代、医者も武士なんですね。激動の時代でありながら自分の信じる道を
行く生き様は、潔く凛としています。
晩年の彼を襲った、まるで連鎖するかのような身内の不幸は気の毒としか言いようがありませんが、
それにしてもこの時代、すごいひとが沢山いたのだなぁと改めて思います。
「暁の旅人 」 吉村 昭 ★★★★★
終戦直後、樺太の9人の女性電話交換手が、青酸カリを服毒して
自決してしまった事件を丹念に追っています。
日本の敗戦が誰の目にも明らかになった8月8日にロシアが参戦。
8月15日日本はポツダム宣言を受諾、終戦、
にもかかわらず8月20日、日本の北方地域侵略目的でロシアは進軍。
攻撃と掠奪の限りを尽くすロシア。
反撃して(それは自衛のためであったようですが)やたら戦禍を拡大して
しまう日本軍。
女性たちには職場死守だの「決死隊」だの言いながら、緊急事態に自宅から
徒歩数分の職場に出勤もせず、女性たちを残して逃走してしまう上層部。
さらに戦後、その上層部が書いた手記は、自己の保身のための虚言だらけ。
こんな状況で自決してしまった女性たちには「かわいそう」なんて言葉は生やさしすぎます。
しかし改めて思うのは、教育の恐ろしさです。
ヒトラーも羨んだという戦前の日本の皇国一致体制は、幼いときからの刷り込み教育が
大きな要因のひとつだったと思いますが、
同胞がひとりまたひとりと青酸カリを煽って次々と倒れていく中、他局との通信回線を開け
「どうすればいいのかわかりません。指示をおねがいします」と、自分の命に対して
指示を仰ぐ悲痛な叫びを残して自決してしまった彼女たち。
命のありかたや生きる力を教えないで、何が教育なんでしょうか。
「永訣の朝 」 川嶋 康男 ★★★★★
自決してしまった事件を丹念に追っています。
日本の敗戦が誰の目にも明らかになった8月8日にロシアが参戦。
8月15日日本はポツダム宣言を受諾、終戦、
にもかかわらず8月20日、日本の北方地域侵略目的でロシアは進軍。
攻撃と掠奪の限りを尽くすロシア。
反撃して(それは自衛のためであったようですが)やたら戦禍を拡大して
しまう日本軍。
女性たちには職場死守だの「決死隊」だの言いながら、緊急事態に自宅から
徒歩数分の職場に出勤もせず、女性たちを残して逃走してしまう上層部。
さらに戦後、その上層部が書いた手記は、自己の保身のための虚言だらけ。
こんな状況で自決してしまった女性たちには「かわいそう」なんて言葉は生やさしすぎます。
しかし改めて思うのは、教育の恐ろしさです。
ヒトラーも羨んだという戦前の日本の皇国一致体制は、幼いときからの刷り込み教育が
大きな要因のひとつだったと思いますが、
同胞がひとりまたひとりと青酸カリを煽って次々と倒れていく中、他局との通信回線を開け
「どうすればいいのかわかりません。指示をおねがいします」と、自分の命に対して
指示を仰ぐ悲痛な叫びを残して自決してしまった彼女たち。
命のありかたや生きる力を教えないで、何が教育なんでしょうか。
「永訣の朝 」 川嶋 康男 ★★★★★
ぜんぜん期待してなかったんですが、というかタイトルからしてダメだろう
くらいに思っていたのですけども、いやー面白かったです。
著者が現役の法律家だけあって、(あたくしの大好きな法定シーンとか)
かなりリアルだし。
弁護側反対尋問で証人が血祭りに挙げられるとか、
それで心証形成に失敗した検察側証人に対して検察官は冷たいとか、
被告側被害者側それぞれの弁護士同士のバトル(罵り合い)とか、
特に、
「背中から刺される」つまり、弁護士が依頼人(被告人)に裏切られるリスク
とか。
更に弁護士の理想と現実、司法試験に通っただけでもう選民意識にとらわれてしまう新人とか
苛烈な生存(出世)競争とか、裁判員制度の現実的な一面とか、いろんな問題が冷静かつ
客観的に取りあげられています。
しかし面白かった。こういうの好きなんですよ。
この著者、しばらく追っかけてみようかな。
「ホカベン ボクたちの正義」 中嶋 博行 ★★★★
くらいに思っていたのですけども、いやー面白かったです。
著者が現役の法律家だけあって、(あたくしの大好きな法定シーンとか)
かなりリアルだし。
弁護側反対尋問で証人が血祭りに挙げられるとか、
それで心証形成に失敗した検察側証人に対して検察官は冷たいとか、
被告側被害者側それぞれの弁護士同士のバトル(罵り合い)とか、
特に、
「背中から刺される」つまり、弁護士が依頼人(被告人)に裏切られるリスク
とか。
更に弁護士の理想と現実、司法試験に通っただけでもう選民意識にとらわれてしまう新人とか
苛烈な生存(出世)競争とか、裁判員制度の現実的な一面とか、いろんな問題が冷静かつ
客観的に取りあげられています。
しかし面白かった。こういうの好きなんですよ。
この著者、しばらく追っかけてみようかな。
「ホカベン ボクたちの正義」 中嶋 博行 ★★★★
企画モノです。とっても賛否両論というか、
好きな人と、全く興味のない人にキレイに分かれそうな企画です。
あたくしはこれ系、だいすきです。
サザエさんとかドラえもんとかハイジなんかの家の間取りがだーっと
収められています。
どうも外観と内観が矛盾するケースもあるらしく、想像で補っている
部分がすくなくないようですが、どうがんばって間取りを作っても、
ドラえもんが階段を上り下りできない(要するにドラえもんが太い)
とか、笑っちゃうケースが多いです。
サリーちゃんの家は、あの時代で既にアイランドキッチンなんだ
そうですよ。すごいですね。
大草原の小さな家も、ローラたちのお家だけじゃなくて、
オルソンさん(いじわるネリーの家)の間取りもついています。
所在地(推定含む)、入所者一覧、工法(RC造りだのSRCだの木造だの2×4だの)や、
ハイジの家なんかは
長期ホームステイ:クララ・ゼーゼマン
短期ホームステイ:ロッテンマイヤーさん
なんてことまで書いてあって凝ってます。
ただ、「釣りバカ日誌」とか「軽井沢シンドローム」とか、ちゃんと読んでないコミックの
場合はやっぱりあんまり興味が湧かない。
番外編で「磯野家立替計画」とかもあって、なかなか楽しめました。
今回の★の数は、企画に対する評価です。しかしカテゴリ分けに困った。
「名作マンガの間取り」 影山 明仁 ★★★★
【追記】
ご指摘(ドラえもんの頭のまわりが129.3cmということは、頭が真円だとすると幅は約41センチ
だから、階段や廊下は通れるはず)をいただきましたので追記します。
> どうも外観と内観が矛盾するケースもあるらしく、想像で補っている
> 部分がすくなくないようですが、どうがんばって間取りを作っても、
> ドラえもんが階段を上り下りできない(要するにドラえもんが太い)
> とか、笑っちゃうケースが多いです。
と、かなりはしょって&要約して上記のように書きましたが、著書には
---------------引用開始-------------
部屋の構成はわかるけど、見たまま描くと階段がハシゴみたいになっちゃう。まともに
九尺で上がれる階段をつくると、1階の部屋が大きくなる。どうにか完成したのがこの間取り。
ドラえもんは、身長・胸囲・頭のまわりがすべて129.3cmということになっているけれど、
これでは本当はこの廊下は歩けない。階段を上がろうにもつかえて前に進めない…。
(「名作マンガの間取り」004ページ)
---------------引用ここまで------------
とあります。
著者はさすがに階段がハシゴじゃまずいだろうと、階段と廊下を多少広げたようですが、それが
幅何センチあるのかは明記されていないのでわかりません。
それでもドラえもんが上り下りできないのですから、人間なら横向きにカニ歩きすれば
通れるのが、ドラム缶スタイル(=円)であるらしいドラえもんは、横向いてカニ歩きしても
つっかえてしまうと言うことかもしれません。
そうだとすると悲劇はドラえもんの『太さ』にあるのではなく、その『丸さ』にあるのかも
しれませんが、残念ながら不明です。【2008/08/26 21:06】
【更に追記】
著書から読み取れる限りの情報をもとに、上記のように推測(?)しましたが、版元から
「訂正記事」が出ましたね。なんかちょっと残念な感じも。【2008/08/28 13:32】
好きな人と、全く興味のない人にキレイに分かれそうな企画です。
あたくしはこれ系、だいすきです。
サザエさんとかドラえもんとかハイジなんかの家の間取りがだーっと
収められています。
どうも外観と内観が矛盾するケースもあるらしく、想像で補っている
部分がすくなくないようですが、どうがんばって間取りを作っても、
ドラえもんが階段を上り下りできない(要するにドラえもんが太い)
とか、笑っちゃうケースが多いです。
サリーちゃんの家は、あの時代で既にアイランドキッチンなんだ
そうですよ。すごいですね。
大草原の小さな家も、ローラたちのお家だけじゃなくて、
オルソンさん(いじわるネリーの家)の間取りもついています。
所在地(推定含む)、入所者一覧、工法(RC造りだのSRCだの木造だの2×4だの)や、
ハイジの家なんかは
長期ホームステイ:クララ・ゼーゼマン
短期ホームステイ:ロッテンマイヤーさん
なんてことまで書いてあって凝ってます。
ただ、「釣りバカ日誌」とか「軽井沢シンドローム」とか、ちゃんと読んでないコミックの
場合はやっぱりあんまり興味が湧かない。
番外編で「磯野家立替計画」とかもあって、なかなか楽しめました。
今回の★の数は、企画に対する評価です。しかしカテゴリ分けに困った。
「名作マンガの間取り」 影山 明仁 ★★★★
【追記】
ご指摘(ドラえもんの頭のまわりが129.3cmということは、頭が真円だとすると幅は約41センチ
だから、階段や廊下は通れるはず)をいただきましたので追記します。
> どうも外観と内観が矛盾するケースもあるらしく、想像で補っている
> 部分がすくなくないようですが、どうがんばって間取りを作っても、
> ドラえもんが階段を上り下りできない(要するにドラえもんが太い)
> とか、笑っちゃうケースが多いです。
と、かなりはしょって&要約して上記のように書きましたが、著書には
---------------引用開始-------------
部屋の構成はわかるけど、見たまま描くと階段がハシゴみたいになっちゃう。まともに
九尺で上がれる階段をつくると、1階の部屋が大きくなる。どうにか完成したのがこの間取り。
ドラえもんは、身長・胸囲・頭のまわりがすべて129.3cmということになっているけれど、
これでは本当はこの廊下は歩けない。階段を上がろうにもつかえて前に進めない…。
(「名作マンガの間取り」004ページ)
---------------引用ここまで------------
とあります。
著者はさすがに階段がハシゴじゃまずいだろうと、階段と廊下を多少広げたようですが、それが
幅何センチあるのかは明記されていないのでわかりません。
それでもドラえもんが上り下りできないのですから、人間なら横向きにカニ歩きすれば
通れるのが、ドラム缶スタイル(=円)であるらしいドラえもんは、横向いてカニ歩きしても
つっかえてしまうと言うことかもしれません。
そうだとすると悲劇はドラえもんの『太さ』にあるのではなく、その『丸さ』にあるのかも
しれませんが、残念ながら不明です。【2008/08/26 21:06】
【更に追記】
著書から読み取れる限りの情報をもとに、上記のように推測(?)しましたが、版元から
「訂正記事」が出ましたね。なんかちょっと残念な感じも。【2008/08/28 13:32】
日常のミステリの短編集。うーん、悪くないんだけどなぁ。
どれもほんとに日常の些細なことから展開されているところとか、
人間関係の機微とかほんと悪くないんだけど、なにか物足りないというか、
きれいに纏まりすぎてるというか。
タイトルにもなっているいちばん最初の短編(歳を取ってきて物忘れが
激しくなってきたじーさんのケース)なんかほんとテーマとしてはすごく
良いんだけどなんか終わり方もきれい事みたいというか、
これが初の短編集らしいのですが
こぢんまりと纏まりすぎててまるで賞狙いで書かれたような気が
してしまいます。
「僕の行く道」とか「未来の息子」なんかと似たような感覚。「決して悪くないんだけど…」。
そしてこの3冊、全て双葉文庫。偶然か。
「陽だまりの偽り」 長岡 弘樹 ★★★
どれもほんとに日常の些細なことから展開されているところとか、
人間関係の機微とかほんと悪くないんだけど、なにか物足りないというか、
きれいに纏まりすぎてるというか。
タイトルにもなっているいちばん最初の短編(歳を取ってきて物忘れが
激しくなってきたじーさんのケース)なんかほんとテーマとしてはすごく
良いんだけどなんか終わり方もきれい事みたいというか、
これが初の短編集らしいのですが
こぢんまりと纏まりすぎててまるで賞狙いで書かれたような気が
してしまいます。
「僕の行く道」とか「未来の息子」なんかと似たような感覚。「決して悪くないんだけど…」。
そしてこの3冊、全て双葉文庫。偶然か。
「陽だまりの偽り」 長岡 弘樹 ★★★
日本だけではなく、その犯罪の特異性(一晩で30人を殺害)によって
世界的にもメジャーな事件で、いわゆる「事件もの」には必ずと言って
いいほど取りあげられており、また山岸凉子がこの津山事件を題材に
「負の暗示」というコミックを発表したりしており、事件の概要については
もちろん知っていましたが。
おそらく、膨大な資料から丁寧に抽出され紡ぎ出されたであろう文章は
とてもリアルです。
当時の世相や風俗、時代背景や僻村の習慣などはもちろん、
特に、殺戮が繰り広げられた一晩が、そのルートや殺害方法などとても
詳しく再現されており、映画を見ているような錯覚を覚えます。
幼い頃はとても優秀で将来を嘱望されながら、溺愛されて歪んだ自己顕示欲を形成
していくさまは著者も指摘しているように大久保潔にも似ており、
更にそのような未熟な人格が果たした自己顕示欲の実現は、昨今の秋葉原や八王子を
どうしても連想させるのです。
「津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇」 筑波 昭 ★★★★★
世界的にもメジャーな事件で、いわゆる「事件もの」には必ずと言って
いいほど取りあげられており、また山岸凉子がこの津山事件を題材に
「負の暗示」というコミックを発表したりしており、事件の概要については
もちろん知っていましたが。
おそらく、膨大な資料から丁寧に抽出され紡ぎ出されたであろう文章は
とてもリアルです。
当時の世相や風俗、時代背景や僻村の習慣などはもちろん、
特に、殺戮が繰り広げられた一晩が、そのルートや殺害方法などとても
詳しく再現されており、映画を見ているような錯覚を覚えます。
幼い頃はとても優秀で将来を嘱望されながら、溺愛されて歪んだ自己顕示欲を形成
していくさまは著者も指摘しているように大久保潔にも似ており、
更にそのような未熟な人格が果たした自己顕示欲の実現は、昨今の秋葉原や八王子を
どうしても連想させるのです。
「津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇」 筑波 昭 ★★★★★
正直なところ、第1章を読み始めて「これはもしや失敗したかも」と
おもいました。
ポップと言えばポップなんだけど、これはただ単に「軽い」だけでは?
と思ったんですがさにあらず。
なかなか面白かったです。
ある日父親が失踪してしまい、残された末っ子14歳男子、17歳長女、
27歳長男、42歳母親、73歳舅(小ぼけ)それぞれの心の内が、連作で
展開されていきます。
読み進めるうちに様々なヒミツが明らかになっていきますが、こういう
テーマを軽やかにしかし「きちんと」描けるということが本当の意味での
「ポップ」なんだと思います。
この国が背負ってきた歴史と必死で立て直してきた人たちの想い、実際のところ現実は
その想いとはぜんぜん別物になってしまったところもありますが、しかし
そういう歴史や様々な想いのうえに「今」があるのであって、そして「家族」というものは
大なり小なりこんなもんで、そして「家族」というものは与えられるモノではなくて
そこに参加した人たちで「創り上げていくモノ」であるということですね。
「血」を否定するわけではありませんが、「血」だけではないというか。
さまざまな想いを呑み込んで、いろいろなことに折り合いを付けて大人になっていく過程というか。
しかしこの73歳のじいさん、ボケてきていますが大した人物だし良い味出してます。
「厭世フレーバー」 三羽 省吾 ★★★★
おもいました。
ポップと言えばポップなんだけど、これはただ単に「軽い」だけでは?
と思ったんですがさにあらず。
なかなか面白かったです。
ある日父親が失踪してしまい、残された末っ子14歳男子、17歳長女、
27歳長男、42歳母親、73歳舅(小ぼけ)それぞれの心の内が、連作で
展開されていきます。
読み進めるうちに様々なヒミツが明らかになっていきますが、こういう
テーマを軽やかにしかし「きちんと」描けるということが本当の意味での
「ポップ」なんだと思います。
この国が背負ってきた歴史と必死で立て直してきた人たちの想い、実際のところ現実は
その想いとはぜんぜん別物になってしまったところもありますが、しかし
そういう歴史や様々な想いのうえに「今」があるのであって、そして「家族」というものは
大なり小なりこんなもんで、そして「家族」というものは与えられるモノではなくて
そこに参加した人たちで「創り上げていくモノ」であるということですね。
「血」を否定するわけではありませんが、「血」だけではないというか。
さまざまな想いを呑み込んで、いろいろなことに折り合いを付けて大人になっていく過程というか。
しかしこの73歳のじいさん、ボケてきていますが大した人物だし良い味出してます。
「厭世フレーバー」 三羽 省吾 ★★★★
「夜空のむこう」に引き続き、香納諒一先生です。
なんというんでしょうか。「夜空のむこう」も、この
「タンポポの雪が降ってた」も、とくにものすごい展開があるわけじゃ
ないんですが、何とも質が良い短編集であります。
この著者の作品は、未だ上記の2冊しか読んでない(「ハードボイルド・
ミステリー」で有名な著者のようですが、そっち系の作品は全く未読)
ので言い切れないのですけども、
この著者のテーマは「孤独」なのかなと思いました。
誰にでも「孤独」はつきものですが、そしてその「孤独」のとらえ方や
あり方は人それぞれで、
そして同じ人でもその時々によって、つまりは年を重ねていく毎に
抱える「孤独」は変わっていくものであり、その「孤独」との対峙の仕方が
その人の生き方でもあったりするのだと思います。
この短編集の中には「回想」ものがいくつか収められていますが、「回想」とはつまり
自分が「孤独」とどのようにつきあってきたかを検証する作業でもあるのかも。
作品の中にもちらりと出てきますが、若い時分の「孤独」は、何よりも「残酷さ」と密接ですね。
若さ故の怖いモノ知らず、傲慢さ、積極性なんかが背後にあったんだろうなぁとしみじみ
思いました。
「タンポポの雪が降ってた」 香納 諒一 ★★★
なんというんでしょうか。「夜空のむこう」も、この
「タンポポの雪が降ってた」も、とくにものすごい展開があるわけじゃ
ないんですが、何とも質が良い短編集であります。
この著者の作品は、未だ上記の2冊しか読んでない(「ハードボイルド・
ミステリー」で有名な著者のようですが、そっち系の作品は全く未読)
ので言い切れないのですけども、
この著者のテーマは「孤独」なのかなと思いました。
誰にでも「孤独」はつきものですが、そしてその「孤独」のとらえ方や
あり方は人それぞれで、
そして同じ人でもその時々によって、つまりは年を重ねていく毎に
抱える「孤独」は変わっていくものであり、その「孤独」との対峙の仕方が
その人の生き方でもあったりするのだと思います。
この短編集の中には「回想」ものがいくつか収められていますが、「回想」とはつまり
自分が「孤独」とどのようにつきあってきたかを検証する作業でもあるのかも。
作品の中にもちらりと出てきますが、若い時分の「孤独」は、何よりも「残酷さ」と密接ですね。
若さ故の怖いモノ知らず、傲慢さ、積極性なんかが背後にあったんだろうなぁとしみじみ
思いました。
「タンポポの雪が降ってた」 香納 諒一 ★★★
誰だったかは忘れましたが、
「『先生』と呼ばれる商売の人にははっきり言ってロクな人がいない」
と言っていたのを思い出しました。
先生と言えば、政治家、弁護士、教授、教師、医師、作家…。
面白いことに、山口洋子の本に、上記の職業、つまり先生と呼ばれる方々の
「宴会」がいちばんひどいのだと、旅館の女将が嘆いていたとか書いて
あったなぁ。
まあいいや。相変わらずの論調で日本の医学界のダメさ具合をばさばさ
斬ってくれていますが、やはりそれを嘆くだけではなくて、自分や家族が
「患者」となったときに「賢い患者」になれるかどうかそれが問題で、
「賢い患者」、著者が言うところの「プロの患者」になるには本当の意味での
「人間としての自立」というものがとても大事で、しかし
「人間としての本当の(精神的)自立」なんて患者になってからやろうと思っても全然遅くて
日頃からどうしていくのか、つまりは「どう生きてきたか」というのが問われるんだなぁ
と思います。
ええ、そんな自信ないです。
「医者の涙、患者の涙」 南淵 明宏 ★★★
「『先生』と呼ばれる商売の人にははっきり言ってロクな人がいない」
と言っていたのを思い出しました。
先生と言えば、政治家、弁護士、教授、教師、医師、作家…。
面白いことに、山口洋子の本に、上記の職業、つまり先生と呼ばれる方々の
「宴会」がいちばんひどいのだと、旅館の女将が嘆いていたとか書いて
あったなぁ。
まあいいや。相変わらずの論調で日本の医学界のダメさ具合をばさばさ
斬ってくれていますが、やはりそれを嘆くだけではなくて、自分や家族が
「患者」となったときに「賢い患者」になれるかどうかそれが問題で、
「賢い患者」、著者が言うところの「プロの患者」になるには本当の意味での
「人間としての自立」というものがとても大事で、しかし
「人間としての本当の(精神的)自立」なんて患者になってからやろうと思っても全然遅くて
日頃からどうしていくのか、つまりは「どう生きてきたか」というのが問われるんだなぁ
と思います。
ええ、そんな自信ないです。
「医者の涙、患者の涙」 南淵 明宏 ★★★
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