本はごはん。
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母親についてのエッセイですかね。
解説が内田春菊。なんて豪華な組み合わせ。
母娘の関係はもちろんそれぞれに違うのであろうけれども、面倒な関係の
根本じゃないかと思う。
母に対する、小さい時の想い、大人になってからの想い、母が呆けて
からの想い。
それらがまったくストレートにざくざくとテンポ良く綴られていきます。
冒頭は母親から受けた仕打ちが続くのですが、やがて母親の良いところも
きちんと掬い上げられていき、この著者の客観性の強さに驚かされます。
普通は、書けないんじゃないか。
嫌いなのに憎みきれない。嫌いなのに老人ホームに入れた事に対する罪悪感を拭いきれない。
おそらく解決する事のないであろう葛藤。見なかった事、気がつかなかったふりをするのでは
なく、正面から自分の心を見つめる強さ。
そして、著者の母親に対する複雑な思いが現れているかのような構成。
計算して、というより恐らく、自然とこういう構成になったように感じるのは文章もつ力と
スピード感のせいなのだろうか。
更に、相変わらずの絶妙な日本語。意志を持つ文章。
さて非常に個人的なことであるのだけれど、私は幼少期の記憶がほとんど無い。
病気とか、虐待の後遺症とか、そういうことでは一切無くて、地縁血縁いずれも薄く、さらに
自分の過去に殆ど興味を持たない私は、中学生くらいまでの記憶がかなり曖昧だ。
はっきり言って殆ど憶えてない。小学校の同窓会なんて言われたらもうお手上げだ。顔も名前も、
誰一人覚えていない。先生なんて言わずもがな。
それでも両親が離婚する間際の壮絶な夫婦喧嘩だけは憶えていたりするのだが、私も著者のように
年をとったら思い出すのだろうか?
そして更に年を取ったら今とは全く逆に、最近の記憶を無くして遙か過去の記憶の海に
沈むのだろうか?
「シズコさん」 佐野 洋子 ★★★★
解説が内田春菊。なんて豪華な組み合わせ。
母娘の関係はもちろんそれぞれに違うのであろうけれども、面倒な関係の
根本じゃないかと思う。
母に対する、小さい時の想い、大人になってからの想い、母が呆けて
からの想い。
それらがまったくストレートにざくざくとテンポ良く綴られていきます。
冒頭は母親から受けた仕打ちが続くのですが、やがて母親の良いところも
きちんと掬い上げられていき、この著者の客観性の強さに驚かされます。
普通は、書けないんじゃないか。
嫌いなのに憎みきれない。嫌いなのに老人ホームに入れた事に対する罪悪感を拭いきれない。
おそらく解決する事のないであろう葛藤。見なかった事、気がつかなかったふりをするのでは
なく、正面から自分の心を見つめる強さ。
そして、著者の母親に対する複雑な思いが現れているかのような構成。
計算して、というより恐らく、自然とこういう構成になったように感じるのは文章もつ力と
スピード感のせいなのだろうか。
更に、相変わらずの絶妙な日本語。意志を持つ文章。
さて非常に個人的なことであるのだけれど、私は幼少期の記憶がほとんど無い。
病気とか、虐待の後遺症とか、そういうことでは一切無くて、地縁血縁いずれも薄く、さらに
自分の過去に殆ど興味を持たない私は、中学生くらいまでの記憶がかなり曖昧だ。
はっきり言って殆ど憶えてない。小学校の同窓会なんて言われたらもうお手上げだ。顔も名前も、
誰一人覚えていない。先生なんて言わずもがな。
それでも両親が離婚する間際の壮絶な夫婦喧嘩だけは憶えていたりするのだが、私も著者のように
年をとったら思い出すのだろうか?
そして更に年を取ったら今とは全く逆に、最近の記憶を無くして遙か過去の記憶の海に
沈むのだろうか?
「シズコさん」 佐野 洋子 ★★★★
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