本はごはん。
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吉原の最後を見届けた、松葉屋という茶屋の女主人による吉原回想録です。
幼少の頃から茶屋の跡継ぎとして吉原で育てられた著者の目に映った、
大正の終わりから吉原の灯が消えるまでの姿を、柔らかな語り口で回想
しています。
吉原というと江戸時代の絢爛豪華さ(しかしそれはほの暗さや寄る辺ない
哀しみに裏打ちされたものであるのだけれども)が真っ先に思い浮かび
ますが、昭和に入ってからの戦中戦後、そして法律改正などの激動の
時代を中心に語られています。
売春防止法が施行され、昔ながらの吉原が消えソープランド街となって
からも松葉屋は料亭として、花魁ショーを取り入れたりしながら頑張って
いたようですが、芸者さんや幇間さんたちの高齢化、後継者不在には
とうとう勝てなかったようです。
もう、歌舞伎や文学の中でしか触れる事が出来なくなってしまったんですね。
300年続いた文化をきっちりと締めくくるために現れた人のように感じるのは私だけでしょうか。
凜として背筋が通っていて、そして粋。これを格好いいと言わずして何と言うのか。
「吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史」 福田 利子 ★★★
幼少の頃から茶屋の跡継ぎとして吉原で育てられた著者の目に映った、
大正の終わりから吉原の灯が消えるまでの姿を、柔らかな語り口で回想
しています。
吉原というと江戸時代の絢爛豪華さ(しかしそれはほの暗さや寄る辺ない
哀しみに裏打ちされたものであるのだけれども)が真っ先に思い浮かび
ますが、昭和に入ってからの戦中戦後、そして法律改正などの激動の
時代を中心に語られています。
売春防止法が施行され、昔ながらの吉原が消えソープランド街となって
からも松葉屋は料亭として、花魁ショーを取り入れたりしながら頑張って
いたようですが、芸者さんや幇間さんたちの高齢化、後継者不在には
とうとう勝てなかったようです。
もう、歌舞伎や文学の中でしか触れる事が出来なくなってしまったんですね。
300年続いた文化をきっちりと締めくくるために現れた人のように感じるのは私だけでしょうか。
凜として背筋が通っていて、そして粋。これを格好いいと言わずして何と言うのか。
「吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史」 福田 利子 ★★★
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