bookshelf 『二十歳の変奏曲』 稲葉稔 忍者ブログ
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33474794.jpg  第二次世界大戦の「特攻」の話です。
 
 現代の若者(大学生)がゼミの課題で特攻を調べることになって、自分の
 祖母に話を聴くというスタイルになっています。冒頭、この若者が祖母に
 向かって、
 
 「9・11のテロは神風特攻と同じではないか」と言うシーンがあるので、

 そのあたり突っ込んでくるのかと思ったらそうではなく、であればわざわざ
 こういうスタイルを取る必要があったのかどうかは少し疑問です。

 スタイルはともかく、特攻で散らなければならなかったひとの数だけ
 知られざる葛藤やドラマがあったのでしょう。

 それから本書ではちらりとしか触れられていませんが、2世(日系2世や
 朝鮮系2世など)の苦悩やその立場ならではの哀しみや。

 はっきり言ってこの手の、つまりは戦争モノにはとても弱いことを自覚しています。
 それでも、どうしても読んでしまう。

 おそらくは多大な犠牲を払って得た、しかしながらちょっと違う方向へ走ってしまった
 平和の上に安穏と暮らしている自分に、なにか後ろめたさを感じてしまうからなのかも
 しれない。
 
 そしてもっと正直に言えば、多大な犠牲を払っても彼らが必死で守ろうとした日本は、おそらく
 現在の、こんな日本じゃなかったのじゃないか。そう思いながらも何もしない自分を
 認めたくないからなのかもしれない。

 本書については、この手の者としては恋愛が中心に据えられているためかとても読みやすく、
 多くの人が手に取りやすいのではないかと思います。しかし個人的には「永遠の0」とか
 「ふたつの祖国」とかを是非併せて読んで欲しいと思う。


二十歳の変奏曲」 稲葉 稔 ★★★
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