本はごはん。
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この著者の作品は初めて読みますが、1ページ目からもう、著者独特の
リズムに引き寄せられてしまうのだけれど、文章はかなりきわどいところに
あるように思う。計算の上のことかもしれないけれど、嫌う人もいるんじゃ
ないかな。
サブタイトル通り、母親と、ときどき父親も混じる関係を描いています。
実体験がかなりの部分を占めているものと思われ。
ぱっと読んだところでは母親との関係性、もしくは母親への思慕がストレート
に表現されているため、感情的に受け付けにくく感じるひともいるのでは
ないかと予想されるのですが、
私がこれを読んでいて思い出したのは「青春の門」。筑豊つながり。いえ、
それだけではなくて、青春の門が「上昇志向の塊オレはヤルぜ!的青春小説」
だとしたら、これは現代版の青春小説ではないかと。
食べるに困らない、豊かになった分だけ見えにくくなってしまった自分自身と将来。
やりたいことも、なりたいものも判らない。そのなかで生きいかなきゃならない現代。
そういう意味では、昔の方が貧しかったかもしれないけれどその分、判りやすかったのかも
しれません。
つまり、母親との関係性が前面に出てはいますが、これは、ひとりの人間の迷いと苦悩と自立への
悪戦苦闘の記ではないかと。そんな風に感じました。
なかなか良い作品でありました。
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー ★★★★
リズムに引き寄せられてしまうのだけれど、文章はかなりきわどいところに
あるように思う。計算の上のことかもしれないけれど、嫌う人もいるんじゃ
ないかな。
サブタイトル通り、母親と、ときどき父親も混じる関係を描いています。
実体験がかなりの部分を占めているものと思われ。
ぱっと読んだところでは母親との関係性、もしくは母親への思慕がストレート
に表現されているため、感情的に受け付けにくく感じるひともいるのでは
ないかと予想されるのですが、
私がこれを読んでいて思い出したのは「青春の門」。筑豊つながり。いえ、
それだけではなくて、青春の門が「上昇志向の塊オレはヤルぜ!的青春小説」
だとしたら、これは現代版の青春小説ではないかと。
食べるに困らない、豊かになった分だけ見えにくくなってしまった自分自身と将来。
やりたいことも、なりたいものも判らない。そのなかで生きいかなきゃならない現代。
そういう意味では、昔の方が貧しかったかもしれないけれどその分、判りやすかったのかも
しれません。
つまり、母親との関係性が前面に出てはいますが、これは、ひとりの人間の迷いと苦悩と自立への
悪戦苦闘の記ではないかと。そんな風に感じました。
なかなか良い作品でありました。
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー ★★★★
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