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読み終わると溜息が出ますよ。
この国は年間2,000億円を超える税金を「犯罪者」のためにつぎ込み、「更正」
のためのプログラムを実施していますが、再犯率は50%を超えるとか。
一方で、裁判の時は「一生をかけて償います」と言っておきながら、裁判が
終われば賠償金どころか治療費さえ支払わない加害者も多いとか。
確かに現状の「更正システム」は、性善説に基づいた「犯罪者を真人間に変え
られる」という思想であり、たしかにそういうケースもあるかも知れませんが
一方、これはかなりおこがましい考え方でもあるように思うし、現状、
個人的に見聞きする範囲ではやはりどうしても被害者の人権より加害者の
人権の方に重きを置かれているようにしか思えない事象が多すぎるように思うのです。
著者の訴える「人権論」はちょっと過激なところもありますが、「賠償モデルへの転換」とか
「付帯私訴(刑事裁判と民事賠償審理を同時に行うこと)」の導入など、真剣に検討すべき提案も
多いように思います。
歴史的な背景、譜の部分も含めたアメリカの現状なども踏まえた上での著者の主張は明快で、
一読の価値はあると思います。
「この国が忘れていた正義」 中嶋 博行 ★★★★
この国は年間2,000億円を超える税金を「犯罪者」のためにつぎ込み、「更正」
のためのプログラムを実施していますが、再犯率は50%を超えるとか。
一方で、裁判の時は「一生をかけて償います」と言っておきながら、裁判が
終われば賠償金どころか治療費さえ支払わない加害者も多いとか。
確かに現状の「更正システム」は、性善説に基づいた「犯罪者を真人間に変え
られる」という思想であり、たしかにそういうケースもあるかも知れませんが
一方、これはかなりおこがましい考え方でもあるように思うし、現状、
個人的に見聞きする範囲ではやはりどうしても被害者の人権より加害者の
人権の方に重きを置かれているようにしか思えない事象が多すぎるように思うのです。
著者の訴える「人権論」はちょっと過激なところもありますが、「賠償モデルへの転換」とか
「付帯私訴(刑事裁判と民事賠償審理を同時に行うこと)」の導入など、真剣に検討すべき提案も
多いように思います。
歴史的な背景、譜の部分も含めたアメリカの現状なども踏まえた上での著者の主張は明快で、
一読の価値はあると思います。
「この国が忘れていた正義」 中嶋 博行 ★★★★
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