bookshelf 『警視庁捜査一課刑事』 飯田裕久 忍者ブログ
本はごはん。
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7d20e4c0.png  警視庁捜査一課の刑事だった著者による、トリカブト殺人事件や
 お受験殺人事件、オウム真理教事件など、実際の事件のことはもちろん、
 日常捜査や庁内のことなども詳しく紹介されています。

 何度も表彰も受けられたようだし、文中からも優秀な刑事であったことが
 伺われ、本署を面白く読みながらも、刑事を退職された事を少し残念にも
 感じましたが、

 著者が退職するきっかけとなった親友達の相次ぐ死。
 そして著者も退職してから僅か3年、46歳の若さで亡くなってしまった
 という事実が、刑事という職業の過酷さを物語っているように思います。

 事件解決というプレッシャーのみならず、1日24時間1年365日、
 精神的拘束(いつ呼び出されるか判らないからいつもスーツ。スーパー
 へ行くのもスーツ)、それに耐えているのはひとえに、

 各個人個人の責任感とか熱意とか刑事としての使命感で、もしそれだけに頼っているのだとしたら、
 あまりにも酷ではないか(刑事の処遇について良く知らないので判らないのですが)。

 最近は医学部を出ても眼科や耳鼻科への志望者ばかりで、外科や産婦人科などへの希望はどんどん
 減っていると聞きます。

 刑事にしても医者にしても、個人の使命感だけに頼るのではなく、なんとかそれを支えるシステム
 を作れないもんでしょうか。

 文中にも時折登場する「刑事50訓」(巻末に全文掲載)、これには刑事だけではなく、一般にも
 通用するものが多く含まれていると思います。そしてこの50訓は、「いつのまにか存在している」。

 つまり、現場の名もないたくさんの刑事達が積み上げてきた集大成のようなものであって、
 当たり前の用に享受している日常は、このように決して表には出てこない人たちに支えられていて、
 それが綿々と受け継がれているということに日本も未だ捨てたもんじゃないのかも、と思いたい。


警視庁捜査一課刑事」 飯田 裕久 ★★★★
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