bookshelf 『ぽろぽろドール』 豊島ミホ 忍者ブログ
本はごはん。
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7fa7acfd.png  「人形愛」がテーマというか、人形を愛さずにはいられなかった
 人たちを描いた短編集。

 叔母から譲り受けた、涙を流す人形に自分の怒りややるせない想いを
 ぶつける少女や、自分の残念な容姿を贖う代償行為のように人形を
 着飾らせる少女、失くしてしまった世界と大切な人を人形に再現する
 女性など様々なのですが、

 著者自身があとがきで、自身が容姿に対するコンプレックスを持って
 いたのがこの本の発端、と言うようなことを書いていますが、誰もが
 抱える心の隙間、漠然とした不安、寄る辺の無さみたいなものを、
 無意識に人形で埋めようとした人たちの話なのだと思います。

 誰もがいろんな手段でその「隙間」を埋めようと足掻いているものに加え、
 短編の殆どの主人公が少年少女期から思春期にあり、その時期特有の「残酷さ」
 「傲慢さ」「不器用な優しさ」などが上手くミックスされていると思います。

 とても好きな作家だしホンモノだと思うのですが、なにか著者自身がブレイク・ポイントを
 掴み損ねているような感がするんですけどね…。つまりは、もっともっと描けるんじゃないかと
 勝手に思ってるんですが。売れる売れないと言う意味ではなくて、はじけて欲しいです。
      
  
ぽろぽろドール」 豊島 ミホ ★★★
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