bookshelf 『こうふく みどりの』 西加奈子 忍者ブログ
本はごはん。
[514]  [513]  [512]  [511]  [510]  [509]  [508]  [507]  [506]  [505]  [504
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

e3b4740a.png  以前読んだこの著者の作品が、悪くはないけどもう一声、
と感じたもの
 ですからあまり期待はしていなかったのです。


 実際冒頭は中学生が主人公ということもあり軽めのスタート。

 しかし読み進めるととんでもない作品でありました(良い意味で)。



 おばあちゃんとおかあさん、そして従姉妹とその娘、女だけの五人暮らしの
 女子中学生の主人公。淡い恋やコミュニティ、日常生活が綴られていくの
 ですが、そこに時折、かつ突然挟まれる独白。

 差出人と宛先が最初から明らかに判るものと、
まさかこれはと思うものと。


 やがて女子中学生の目を通した日常と、それらの手紙が見事に修練していく
 のですが、
その構成が鮮やかです。素晴らしい。

 

女というのは年齢に関係なく女で、女である以上女の哀しみというものが
 常について回るもので、そんな女の哀しみとかそれゆえの強さとか優しさとか
そういった
 ことがほんのりしたユーモアに包まれて、うまく描き出されていると思います。

 

二部構成らしいので、もうひとつの作品も期待してます。


こうふく みどりの」 西 加奈子 ★★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog