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本はごはん。
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211787c8.jpg  高橋留美子の名作、人魚シリーズです。
 ずいぶん昔にちらりと読みましたが、「人魚の森」をちらっと
 読んだだけだったので全部通して読んでみました。

 ううむ。やっぱりこれは名作ですね。
 人魚の肉を食べてしまって不老不死の身体を手に入れてしまった
 苦悩がテーマになっていますが、

 ここに描かれているのは、様々な「愛の形」ですね。
 不器用な形でしか愛せなかったり、母親を求めていたり、所有することで愛を表現しようと
 したり。

 ちょっとおどろおどろしいような昔の日本の風俗や、スプラッターなシーンも多くてすこし
 重めの展開ですがたまにでいいから続きを描いてほしいな、と。



人魚の森」「人魚の傷」「夜叉の瞳」 高橋 留美子 ★★★★
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32177484.jpg  気がつけば、この本はアップしてなかった。
 毎日ブログをチェックしているにもかかわらず、つい単行本も
 (もちろん全巻)買ってしまうほどの威力を持っている
 ねこまんがです。

 とてもシンプルな画でありながら、ねこの持っている柔らかさや
 しっとり感、まあるいラインなんかが、すごくよく現れています。

 彼がことあるごとに、

 「ねこ飼いってみんな似てるの? 著者(飼い主)の行動とか反応
  とか、あんたにそっくりだけど」

 と言うのがちょっと…。

 あたくしはトメちゃのファンです。


くるねこ 4」 くるねこ 大和 ★★★★★
978-4-89048-844-5.jpg  ねこまんがです。最初の「ハナちゃんのガマさん」がもう爆発的に面白い。
 猫の本能や猫の意地、猫のプライドなどが全て炸裂しています
 (amazon で最初の数ページが読めます)。

 それと、お母さんが「人間ミャウリンガル」、つまりハナちゃんのアテレコ
 をするんですが、これもなかなかいい味出しています。

 「ねこがぶつぶつ文句を言う」というのも、あーあるわーと思うのですが、
 そういえば人間の脳から前頭葉を取ると猫の脳になる(前頭葉抜きの人間の
 脳と、猫の脳はかなり似ている)というのを何かで読んだことがあるなぁ。

 なかなかに面白いんですが、最初の話のインパクトが強すぎるのか、
 だんだんと後半に進むにつれ尻すぼみ感がなくもない。

 また、最後に30ページほどエッセイが入っているのですが、エッセイが悪いとは言わない
 けれど、この著者には画で表現して欲しいなぁ。


ウチのハナちゃん」 松本 英子 ★★★★
07198897.JPG  かなり久しぶりに萩尾望都を読みました。

 あたくしのなかで萩尾望都といえば、「半神」がナンバーワンで、続いて
 「百億の昼と千億の夜」、そして「ポーの一族」と、不動の位置を占めていて
 それで満足していたのでありました。

 久しぶりに読んでみましたが(しかしこれももう10年以上前の発行ですね。
 そんな古さは感じさせませんが)、やっぱり萩尾望都だなぁ。

 あの世とこの世の「狭間」に立つホテルが舞台です。そこに迷い込んだ
 ものの、表門から再び「現世」へと戻っていく人、そのまま中庭を抜けて
 「あの世」へ旅立つ人。じたばたする人、あきらめる人。

 それぞれのドラマ、涙、決断があるのですが、単なるドラマに収まらない
 のが萩尾望都のすごいところです。
 
 この人の作品は「漫画」という表現手段でそれ以上の世界を表現している、
 ということをいつも感じます。


あぶな坂HOTEL」 萩尾 望都 ★★★★
06337594.jpg  前々から気になっていたのですが、ここで1巻から6巻まで一気読み。
 画像は一番気に入ってる1巻の表紙を貼っておきます。

 自宅の庭に集まってくる鳥たちや、移ろいゆく自然の観察日記を
 4コマ漫画で表現しています。

 途中から実家を出て庭付きの一軒家へ引っ越し、その広い庭を畑にしたり
 ちょっと羨ましい(いや、あたくしのとりあえずの目標はルーフバルコニー)。

 東京より北の地域での生活経験がないので、雪国の冬の日常もあたくしには
 興味深かったりします。

 なんというか全体に独特のトーンが漂っていて、本人には「エコ」だの
 「ロハス」だのという感覚が全くないのもいいです。

 個人的には3巻の最終話「北の国から 2006つぐみん」がいちばん好きです。


とりぱん 6」 とりの なん子 ★★★★
32153990.JPG  体験談のようですね。
 夫の行動が怪しいので「カマかけたらクロ」つまりは「浮気を白状した」と。

 浮気から離婚までそしてその後と、一通り「別居」や「離婚調停」や
 「親権/監督権」に「月に1度の面会」までさらってありますが、
 正直なところ、もうちょっと突っ込んで書いて欲しかったかも。

 調停なんか数ヶ月にわたるはずですがそのあたりもさらりとだし、夫の
 浮気相手の女性とのことも、どうやら家にまでやってきている気配も感じ
 ながらなんとなくフェードアウトしてしまっているような。

 ま、相手のあることだから難しいところもあるんでしょう。

 しかし思うに、著者はとても辛い体験をしたと思いますが、こうやって「表現」できる
 手段を持つ人は幸せかもしれない。それが「絵」であろうと「文章」であろうと写真でも
 音楽でもなんでもいいから。

 それを「表現」するということは辛い体験を追体験するという更に辛い作業かもしれませんが、
 そうやって消化(昇華?)することによって、人は再生するのかもしれません。
 

カマかけたらクロでした」 うえみあゆみ ★★★
372396-2.jpg  チェーザレ・ボルジアといえば、塩野七生氏の
 「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」と河原泉氏のコミック
 「バビロンまで何マイル?」とで充分だとおもっていました。

 この2作、チェーザレは充分に魅力的だし、また、ある程度の史実を
 踏まえた上で彼を描き出し表現するのは、相当な器量がいるのではないか
 とも思っていました。

 しかしそう来たか、という感じ。表現手段としてのコミックと、構成上に
 アンジェラを配しての展開。判りやすく面白く、何よりチェーザレが
 とても生き生きと描かれています(解釈が多少異なる部分はあるにせよ)。

 イタリアはボルジア家という権力者の家系に生まれ、マキャベリに「理想の君主」と言わしめた
 類い希なる頭脳と美貌とシーザーの名前を持ち、しかし当時致命的であった「庶子」という立場。

 これで屈折しなければ、ほんとのノーテンキでしょう。
 単なる暴君ではかったはずだと思うのはあたしだけか。

 4巻目にしてルクレッツィアの登場です。


 「チェーザレ 4」惣領 冬実 ★★★★★

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Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog