bookshelf 『躁病見聞録―この世のすべては私のもの』 加藤達夫 忍者ブログ
本はごはん。
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202399b.jpg  そういえば、うつ病を患っている人の手記だとかブログだとかはよく見る
 けれど、躁病を患っている人の手記はあまり見たことがないなぁと。

 で、この本ですが。
 躁病を患い、投薬治療を続けているものの数年おきに発症してしまう
 著者の躁病体験記、とでもいうのでしょうか。

 躁病を発病すると、その人は王様のような万能感につつまれるという
 ことは知識として知ってはいましたが、では具体的にどんな行動を
 取るのか、ということがここにはどっさり綴られています。

 これを読んでいると、躁病の発病した状況は、薬物中毒患者と似て
 るんじゃないか、という気もするんですが、薬物も躁病の経験もない
 ので私には断言できません。

 お金がなくても次々と買い物しまくる(100万円単位)とか、ヤクザにも平気で喧嘩売るとか、
 しかもそれは海外で、ついには刑務所まで経験するところまで突っ走るとは、恐ろしや躁病。

 しかし周りの人も困りますよね…いや本人がいちばん大変だとは思うんですけど。どうも著者は
 発病するとタイに行きたくなるように見受けますが、確かにあのくらいおおらかな国であれば、
 ちょっとヘンな外国人として受け入れてくれるのかもしれません。少なくともこのぎすぎすした
 日本よりも。

 しかし著者の病状が快復するのはいつも日本の医療機関を受診してからのようですので、
 精神医療についてはやはり日本が一歩先を歩いているのでしょうか。

 正直に書きますと、結局はいろんな形で表出する万能感、思考の拡散、妄想などのオンパレード
 なので、ちょっと飽きてくる感も否めませんが、なかなか貴重な書だと思います。


躁病見聞録―この世のすべては私のもの」 加藤 達夫 ★★★
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だまされるかもな
タイトルと解説を見てやっとまともな躁鬱本がでたか!と思って購入

しかし読み進めるうちにこれがフィクションであると確信した

解説を書いている精神科医がそれに気付かないのかが不思議で仕方ない
単なる勉強不足・臨床不足であるのは確かだ


百歩譲って本人が躁転していてもその時のことを記憶できたとしよう

しかしあそこまで事細かには認知することは第三者が常に同行してビデオカメラでも回さない限り無理だろう

この作品がノンフィクションでもしもあるのなら考えられるのは

①ビデオカメラの映像を元に書いた→しかし刑務所内では撮影禁止であるはず

②後日自分が躁?%E:426%#ヤで旅した場所に行き当時の様子を取材した


でも私には作者の三流のユーモアとしか思えない
ゆえに「躁病」見聞録なのであろう

つまらない旅行記に「躁病」というスパイスを効かせてみたのだろう
そして素人さんをまんまと騙して出版にこぎつけた

この人に次回作がもしあるとしたら今度はどんなマイナーな病気を患っているんだろうか
ほわほわ 2010/07/10(Sat)12:22:39 編集
Re: だまされるかもな
あら。フィクションですか。

躁病の人は、躁状態の時の記憶までなくしてしまうわけではないので、
病状が治まった時に、躁状態の時に自分がしでかしたあれやこれやを
思いだし、ひどく落ち込む。

という話を聴いたか読んだかしたことがあったので、この本も
そんなもんかなーと思ってました。
もなか 2010/07/12(Mon)11:31:47 編集
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