bookshelf 『「性別が、ない!」ということ。』 新井祥 忍者ブログ
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03095783.jpg  「半陰陽」である著者のエッセイです。
 半陰陽(インター・セックス)とは、生物学的に男性とも女性とも分類でき
 ない状態のことですね(トランス・ジェンダーとはまったく違う)。

 坂東眞砂子の「山姥」にも、「ふたなり」という表現で出てきました。
 (関係ないですが「坂東眞砂子 山姥」で検索したら amazon でもまったく
  引っかからず、版元の新潮社でも「該当なし」でした。確か直木賞取った
  と思ったんだけど。
  あれでしょうか、「子猫殺し騒動」で絶版になっちゃたんでしょうか?)

 良くも悪くも「性別」というものは自分の身体にも心にもぴったりと張り
 付いてしまっているもので、それが「どちらでもない」という状態が
 どんなものであるのか、想像の範疇を超えてしまっています。

 「両方経験できる」メリットというのもあるのかもしれませんが、デメリットの方が大きい
 んじゃないかしら。特にアイデンティティの確立とか、精神的な部分では。

 著者は女性として結婚したあと離婚し、そのあと揺れながらも(一般的には)男性として
 生きる道を歩んでいるようですが、男性化すると靴のサイズが大きくなり、女性化すると
 サイズが小さくなると言うのには驚きました。ホルモン(注射)、恐るべし。

 著者自身も書いているとおり時代解説的な要素もあるんですが、ちょっと内容も表現も整理
 されきっておらず、社会学的な見方からするとまだまだ甘いという感は拭えません。

 正直なところ、インター・セックスについても時代解説についてもどちらも中途半端な感じ
 が否めず、そのあたりをもっとブラッシュ・アップしてもらうと、ものすごく面白いものに
 なるのではないかと思います。


『性別が、ない!』ということ。」 新井 祥 ★★
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