bookshelf 『明治時代の人生相談』 山田邦紀 忍者ブログ
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32158510.jpg  明治時代、1907年の現東京新聞に寄せられた身の上相談を集めています。
 約100年前ですね。しかしこの100年、世の中がいかに様変わりしてしまった
 のかということがありありと判ります。たった100年なのに。

 『隅田川に徳川家の鐘が落ちているから引き上げるべきである。徳川慶喜公に
  何回も手紙を出しているのに返事が来ない!』(明治時代ですから、慶喜は
  生存していたようですがもちろん既に将軍ではない)とか、

 『美人だが学はなくしかし資産家の娘と、不美人であるが教養の高い娘と
  どちらを嫁に貰うべきか』とか、

 『預かっている姪が毎晩夜遊びして困る。一度連れて行くから説教してやって
  くれないか』とかいろいろ相談しています。

 それらの質問に対し編集者が回答しているのですが、

 「シベリヤの中原に追放したい」とか
 「真面目に相手になることを好みませぬ(=まったく相手になんかしてらんないよ)」とか
 「(回答を)書くのも筆の汚れと思うたから屑籠に投げ込もうとしましたが
  見せしめのためにここに掲げて」とか、

 数々のキツイお言葉、この時代の編集者は編集者さまなんですね。

 質問と回答を読んでいると、冒頭に記したとおりたった100年前のことなのに世俗や風俗は
 隔絶の感がありますが、しかし質問の内容というか本質は、現代と変わらないように思うのです。

 たとえば「買い食いがやめられない」というのは過食に対する悩みのように思いますし、
 隣人トラブルやストーカー、職場でのいじめなど、結局のところ根本的なものは一緒というか、
 変わらないんですね。

 しかしこの本、カテゴリー分けにほんと困りました。


明治時代の人生相談」 山田 邦紀 ★★★
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