bookshelf 『ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興』 武田知弘 忍者ブログ
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51dSRhfwAgL._SL160_.jpg  ヒトラー率いるナチスが政権を握った時代の経済政策について論じています。

 ヒトラーが政権を握った時代のドイツは、第一次世界大戦敗戦による莫大な
 賠償金を抱えているところにアメリカの世界恐慌の影響をまともに受け、
 
 労働者の3人に1人が失業者、国内第2位の銀行が破綻、「国際的貸しはがし」
 にも直面するというまさに経済危機の状況だったようです。

 そのなかで、ほぼ2年で経済を立て直し、単に立て直すだけではなく、労働者に
 有給休暇や定期健康診断、メタボ対策に全面禁煙まで、実に近代的な制度まで
 取り入れています。

 しかしこれらの制度の普及の原動力となったも思想が
 「ゲルマン民族は健康でなければならぬ」というのがまったくドイツぽいですが
 (もちろん、病気の予防、早期発見が最終的に医療費を減少させるという経済的理由もあります)。

 ヒトラー自身に経済政策のセンスがあったわけではなく、その道の第一人者を据えて数々の施策を
 実施しているわけですが、しかしナチス党ではない人物を経済の最高ポストに据えたという事実が
 あり、

 また、実際に彼の政権下において極めて短期間に経済状況を回復した実績に対し当初ドイツ国民は
 ナチスを支持していたというのも頷けます。

 近年のロシアを見ていても思うのですが、やはり為政者が国民の支持を取り付けるには
 一にも二にも効果的な経済政策が必須であると言うことなのでしょう。
 まずは食わせてなんぼ。

 しかし、ではめざましい経済回復を実現した指導者がどこからか道を踏み外し始めた時、
 それを抑制する何かを、我々は持ち得ることができるのか。「民主主義」だけでそれを背負うのは
 いささか荷が重いようにも思います。

 自分も含めて大衆は、「強い人になんにも考えずついて行けばいい状況」、が結構好きなように
 思いますし。


ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興」 武田 知弘 ★★★
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