bookshelf 『窓から見える小さな空―少年鑑別所の少女の叫び 』 西街守 忍者ブログ
本はごはん。
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0d78ef44.jpeg  少年鑑別所の教官経験のある著者による、少年鑑別所で出会った少女たちの
 物語。実話ベースの小説、でしょうか。

 うーん。難しいですね。
 言ってしまえば著者は(過去の自分の苦い経験から)少女側に立っていて、
 それこそ公務員の事なかれ主義的な考え方や、事務的な扱いをする同僚や
 上司に対して憤りを感じていますが、

 若さ故の熱意、ということもあるでしょうが、著者は少女達に昔の自分を
 重ねていて、自分が救われる方法を一生懸命探しているようでもあります。

 それが著者なりの対応のしかたとなって、少女達には確実に届いたよう
 ではありますが。

 ただこの著者は1年で退官してしまったようで何とも残念です。
 自分の無力さを痛感してのことらしいですが、そもそも神様じゃなんだから、他人なんか
 救えないと思うんですよ。本気でそう思っていたとしたらそれこそ傲慢です。

 少年鑑別所の教官に限ったことではないですが、救いたいとか助けたいとか思いながら、
 時には何も出来ない自分の無力さに打ちひしがれながらも、それでも続けていくことが
 大切なんじゃないかと、そんなふうに思うのです。
 

窓から見える小さな空―少年鑑別所の少女の叫び 」 西街 守 ★★★
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