bookshelf 『19歳 一家四人惨殺犯の告白』 永瀬隼介 忍者ブログ
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NEOBK-281572.jpg  1992年、市川で起きた家族4人殺害事件のノンフィクションです。
 逮捕された当時19歳の男に、面会や手紙を通して迫っていきます。

 反省の色は全くなく限りなく他罰的で、自己中心的な様子を見ていると
 なんとも暗澹たる気持ちになってきます。

 ただ、何度か出てくる「彼の計り知れない心の闇」という表現にはちょっと
 疑問を感じたりします。4人も殺して反省するどころか平気でいられる
 からには、ものすごい心の闇があるのだろうと思いたくなる心理は
 判らないではないけれど、

 心の闇なんて誰だって持ってるものであって、この加害者の場合は
 心の闇ではなくて、なにか大切なものの「喪失」状態なのではないか。
 なんでもかんでも「心の闇」で片付けてしまうならそもそも取材を重ねる
 必要はないのではないか。

 併せて、前半部分はともかく、真ん中あたりから著者が前面に出てくるわ、繰り返される
 記述が多いわでちょっとどうなんでしょうか。
 事件と加害者を追ったノンフィクション、というよりも、著者自身のノンフィクション
 のように感じます。

 そんなこんなを考えると、一体著者はどこまで加害者の心に迫ることができたのかしらと
 思ってしまうのです。


19歳 一家四人惨殺犯の告白」 永瀬 隼介 ★★★
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