bookshelf 『むかしのはなし』 三浦 しをん 忍者ブログ
本はごはん。
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32006987.jpg<br />  だれもが知っている「かぐや姫」とか「桃太郎」がモチーフになった
 短編集ですが、単に昔話を現代に置き換えたというものではなく。

 なんというか昔話というのは過去のことで、過去のことを「ものがたった」もの
 と、勝手に思いこんでいるフシが自分にもありましたが、それだけではなくて
 「ものがたり」は語り紡がれるものであり、現代の自分たちは昔話の「消費者」
 であるけれども、同時に「紡ぎ手」でもあるということを思い出させて
 くれます。

 短編集ではありますが、ひとつの出来事に向かって、それぞれのひとたちの
 「ものがたり」が語られていきます。
 「語られる」わけですから、全ての短編が様々なかたちの一人称で語られます。
 それぞれの「語られ方」が自然で、かつ、ひとつの出来事に向かっていく全体の構成と併せて、
 秀逸だと思います。

 なにより、「人は寂しさを通してしか他人とは繋がれない」と(それは当たり前のことですが)
 ストレートに表現する一方で、「かぐや姫」をはじめとする様々な昔話が一筋縄ではいかない
 アレンジになっていて、なかなかおもしろい作家だと思います。

 それにしても。
 「しをん」って名前、いいなぁ。


 「むかしのはなし」 三浦 しをん ★★★
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