bookshelf 『小さな命が呼ぶとき(上)(下)』 ジータ アナンド 忍者ブログ
本はごはん。
[403]  [402]  [401]  [400]  [399]  [398]  [397]  [396]  [395]  [394]  [393
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

41014.jpg  実話で、映画化されるようですね。

 ハーバードのMBAを取得し、マーケティング・マネージャーという
 地位と高収入、そして妻と3人の子供をもつ幸せを手にしたものの、
 子供ふたりがポンペ病という難病に冒され、その病気に立ち向かう
 両親の記録です。

 ポンペ病は筋ジストロフィーと似ていて、徐々に筋力を失い最後には
 自発呼吸すらできなくなって死に至る病ですが、このポンペ病に
 対する治療薬がない(当時)。

 その状況で父親は患者会を作って資金を集め、そこから製薬会社へ投資し、その製薬会社の
 CEOにまでなってしまいます。このあたりとってもアメリカ的ですね。

 そして数々の困難を乗り越えながら、治療薬の早期完成と、子供達に治療を受けさせる
 ために奔走するのですが、時折弱音を(妻に)はきながらも力強くぐんぐん進んでいく
 あたりも、やっぱりアメリカ的強い父親です。

 ほんの数年で新薬開発までこぎ着けたバイタリティは、親の子供に対する愛と
 いうものの強さ故なのでしょうか。

 製薬会社のCEOになったものの、自分の子供達を新薬の臨床試験の対象とすることには
 さまざまな障害があって思うようにならず、会社の経営を預かるCEOとしての自分と、
 父親としての自分との狭間でジレンマに陥りながらも諦めないタフさや、

 そもそも自分の子供が難病にかかり薬がないとなったときに、製薬会社を作ろうという
 発想自体が自分にはないものだったので、もしかしたらこれもアメリカン・ドリームの
 ひとつかもしれないなどとも思う。

 メインのストーリィから外れますが、新薬、特に難病に対する新薬の開発は、現状はやはり
 こうなんだなぁ、と。技術情報、開発情報を元にベンチャーファンドが巨額投資。
 身売りする場合は投資額の5倍のリターンが基本。

 まあこの巨額投資が研究開発の元になるわけだし、利益目的だからこそ開発スケジュール
 なんかもシビアにコントロールされるという利点もあるわけですが、なんとなく危うさも
 同時に感じてしまうのはなぜでしょう。

 そしてこれも本書そのものの評価ではないですが、翻訳がちょっと…。
 もうちょっと頑張って欲しかった。


小さな命が呼ぶとき(上)」「小さな命が呼ぶとき(下)」 ジータ アナンド ★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog