bookshelf 『血の味』 沢木耕太郎 忍者ブログ
本はごはん。
[404]  [403]  [402]  [401]  [400]  [399]  [398]  [397]  [396]  [395]  [394
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

123514.jpg  ルポルタージュの名手による小説です。
 14歳で殺人を犯してしまった男がふりかえる自分。

 初めは、膨大な取材を積み重ねたルポルタージュを著していくうちに、
 ルポルタージュという方法では表現しきれないものが少しずつ著者の
 中に溜まっていって、それが「小説」という形で現れたのかと思いましたが。

 読み進めるうちにこれは、「著者自身のなかにあるもの」なのだという
 ことに気付きました。

 14歳の日常の描き方、視線/視点はさすがだなと思います。
 全体を貫くピリッとした緊張感は、14歳という年齢のもつ緊張感を
 よく表していると思う。

 要所要所、そしてラストも曖昧に終わらせているのでいろんな解釈が可能だと思うのだけれど、
 「勇敢であること」「父親が読んでいた本」そして「犬のエピソード」。
 特に犬のエピソードでさいごに母親が言った言葉がちょっと引っかかる。

 全体的に沈鬱なムードで(しかし実際、プライドだけは一人前の14歳の頃って、こんなもん
 じゃないでしょうか)、しかもあちこちすっきりしないところが残るので、好みの分かれる
 ところかもしれません。


血の味」 沢木 耕太郎 ★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog