bookshelf 『それは、うつ病ではありません! 』 林公一 忍者ブログ
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32200139.jpg  最近「新型うつ病」とかいう言葉を見かけるようになって
 なんだそれはと検索してみると、定義を見る限りそれって「擬態うつ病」では
 ないのかと思っていたのですが、その「擬態うつ病」の著者の最新作です。

 「新型うつ病」は「うつ病」にあらず、ときっぱり言い切っています。

 自己愛が満たされない=「自分の思い通りにならない」とむくれて、
 他罰的=「すべては親、もしくは職場、社会環境その他が悪い」と他人の
 せいにし、
 逃避=「仕事を放り出してだらだらすごし」たり、現実を受け入れない。

 それを「うつ病」と称しているのは間違いで、これは「未熟なお子様の反応」とも。
 いやー、風当たりも強いだろうにすっぱり言い切っていて潔いです。

 「(擬態)うつ病」になることで、特権階級を手に入れる、という表現まで出てきているということは、
 時折耳にする「うつ病なんだからちやほやされてしかるべきだ」と要求し、やたらめったら行動的な
 (好きなことや休日はとっても元気に活動する)うつ病患者が思っている以上に増えているって
 ことなんでしょう。

 そしてそれは、著者が危惧するように、本当のうつ病患者の治療に悪影響を与える可能性は
 小さくないように思います。

 この本はかなりやさしく、たくさんのケースを例示し、それぞれが「うつ病か否か」を判断し、
 その基準となるところを解説していますので、企業の人事担当者なんかにはとても
 良いのではないかと思います。

 しかし一方で、とりあえず「うつ病」とか「うつ状態」などの診断書を出さざるを得ない
 医療現場の現実もあるわけで、

 うつ病を訴えた従業員に対し、この本を参考に彼はうつ病ではないと判断できたとしても、
 医者からの診断書がある限りどうすることもできない人事担当者のストレスは
 逆に溜まってしまうのかもしれません。
 

それは、うつ病ではありません! 」 林公一 ★★★
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