bookshelf 『死刑と無期懲役』 坂本敏夫 忍者ブログ
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9784480065339.jpg  刑務官経験者による本です。
 刑務所の現場で起きていること、そして検察やマスコミの報道の在り方まで
 現場の目線で著された良書であると思います。

 著者によれば「変われない人間はいない」そうです。そうかもしれません。
 矯正教育の重要さも訴えています。確かにそうだと思います。矯正教育の
 成果が出れば再犯率は減り、犯罪発生率と社会コストの抑制も可能になるかも
 しれません。

 今のまま終身刑を導入することに対する危険性も訴えていますが、「死刑廃止」
 については、著者も訴えている「冤罪」や「刑務官の人手不足による重労働化」
 「お粗末な矯正プログラム」や「出所後の社会内処遇」などなどの問題に対する
 対応策を検討してからでないと、単に「死刑廃止」だけを論じでも片手オチだし
 付随する問題はそのままで死刑制度だけ廃止って言われても、ちょっと賛成し難い。

 そして冒頭の「変われない人間はいない」、ですが。
 確かにそうかもしれませんが。酷い言い方をすればそれは、人を殺してそして税金で再教育
 してもらえるってことになりかねませんかね?

 自分が被害者遺族だったら、それって受け入れられるんだろうか。
 正直なところ疑問です。

 神戸の「酒鬼薔薇事件」、あれだってそうそうたる心理療法士やらの専門家を何人もべったり
 貼り付けて、数億円のコスト(もちろん税金)と聴いたことがありますが、はたして被害者側
 にはどのくらいの保障がされたんでしょうか?
 おそらく桁が足りませんよねきっと。
 
 目に見えやすい「死刑」を単品でとらえて是非を検討するのではなく、現実の、現場で起きて
 いる問題を地道にひとつずつ解決していくことのほうが、そういった積み重ねが大事なんじゃ
 ないかと、そんな風に思うんですが。


死刑と無期懲役」 坂本 敏夫 ★★★
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