bookshelf 『完本 紳士と淑女 1980‐2009』 徳岡孝夫 忍者ブログ
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9784166607167.jpg  「洒脱な文章」とは、まさしくこういう文章をいうのではなかろうか。
 シニカルを装って逃げるのではなく、見なかったふりをするのでもなく、
 ユーモアを交えながら、時としてそのユーモアが辛辣な皮肉にもなっている。

 雑誌『諸君!』に匿名で連載されたものからの抜粋ですが、この30年間に
 起きた事ごとに対し、鋭い視線で切り込んでいます。
 
 なかでも繰り返し語られるのは「朝日新聞」に対する憤り。

 「今の世に新聞記者はいない。いるのは新聞社員のみである(抜粋)」という
 説には、ああなるほど、と素直にうなずいてしまう。やはりジャーナリズムは
 とっくの昔に死んでしまった。

 しかし著者がこれほどまでに朝日新聞に舌鋒鋭く切り込むのは、
 ジャーナリズムの復活を祈っているからなのではないか。
 それが絶望的なことであると知りながらも。

 闘病中とのこと。快復をお祈りしております。


完本 紳士と淑女 1980‐2009」 徳岡 孝夫 ★★★★
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