bookshelf 『母親に愛されたい娘たち』 井形慶子 忍者ブログ
本はごはん。
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b73a745e.png  世の中に「完璧に健全な親子関係」などというものは、ないと思うのです。
 そんなものは幻想です。どこの家庭にだって多かれ少なかれ問題は
 あって、それをなんとか乗り越えたりやり過ごしたりしていくもの
 だと思うのです。

 一時期「アダルト・チルドレン」という言葉が流行して、街中誰も彼もが
 アダルト・チルドレンになってしまったかのように、ブログでも飽きるほど
 見かけましたが、その多くは責任転嫁としての「自称」アダルト・チルドレン
 であったように思います。

 しかしまあ、(本物の)アダルト・チルドレンほどでなくても、親子関係の
 誤解や歪みが性格形成上、または行動様式に何らかの影響を与える事は
 少なからず在る事でしょうし、その根本原因に気がつかずに痛い目に遭う、
 繰り返してしまう、ということもあるのだとおもいます。

 著者はヒプノセラピーを通して、母親への愛を求めて叶えられなかった幼い自分を認識し、
 そうして自分を立て直していきます。彼女はセラピーという手段を採ったわけですが、いずれに
 せよ自分の本当の言葉に耳を傾ける事が必要なのだろうなと思います。

 まあなかなか自分一人では難しいところでしょうからセラピストという職人が存在するので
 しょうけれども、相性というものもありますからね…。ただ、本当に自分がそれを必要とした
 時には、巡り会えるというか、巡り会っちゃうもんなんじゃないかとも思うのです。

 つまり、いままで封印してきた、というのは封印しなければ自分を保ってこれなかった
 と言う事なのだと思うのです。しかしその封印を解くきっかけはきっと自然にやってきて、
 それがつまり、封印を解いて受け止められる心の状態になった、ということの証左なのでは
 ないかと思うのです。

 著者の友人で新興宗教にはまってしまった人のことが出てきますが、結局物質的に満たされれば
 今度は精神的なものを求めてさ彷徨ってしまう現代の哀しさですね。
 物質も新興宗教も、結局のところ与えられるものを探回っているだけで、自ら創り上げる
 ものでないのに…と思うのは酷な事でしょうか。

 そして野次馬的な発想ですが、この本を読んだ著者の母親の感想はいかに。


母親に愛されたい娘たち」 井形 慶子 ★★★
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井形さんに共感して
私も読みました。井形さんの本は率直で好きです。新刊はロンドンに家を買うお話とかで、
いつも走っているんですよね。そこが面白いところですか。
ふみか 2010/12/03(Fri)01:09:43 編集
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