bookshelf 『春駒日記 吉原花魁の日々』 森光子 忍者ブログ
本はごはん。
[488]  [487]  [486]  [485]  [484]  [483]  [482]  [481]  [480]  [479]  [478
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

68ca4b89.png  
吉原花魁日記 光明に芽ぐ日」の続編。前作は郭の中で綴られた日記でもあり、
 辛いとか悲しいなど著書の心情が中心に綴られていましたが、本作は吉原を
 脱出したあとに書かれた回顧録的なもので、朋輩の花魁の事や印象に残って
 いる客の様子などが中心に描かれています。

 当時の風俗や、風変わりな客の描写など興味深く読めるのですが、監獄の
 ような入院生活や、21歳でもう子供も望めぬまでに健康を害さなければ
 ならなかった環境で生きざるを得なかったことに胸が痛みます。

 彼女のように自由をもとめ声を挙げる花魁の増加や、社会運動の高まりに
 よって、名ばかりであった自由廃業が認められるようになっていくわけ
 ですが、ここには書かれていませんが、自由廃業後も結局社会の中で
 生きていく事が出来ず(実家に帰っても周りの眼や、経済的な面で居場所が
 なかったり)自ら郭に戻るしかなかった女性たちも少なからずいたようで、
 なんともやりきれない想いがします。

 著者は柳原白蓮を頼って吉原を脱出し、その後も彼女(や彼女の夫、友人たち)の世話になった
 ようですが、この柳原白蓮という人はどういう人なんだろう、あとで調べてみようと思っていた
 ところ、つけっぱなしにしていたTVで偶然「柳原白蓮特集」が始まったので見てみました。

 ものすごい美人ですね。はかなげでしかし意志のある眼が印象的です。彼女もまた信念の人
 だったのだなぁと思いました。彼女が書いた文章がこの本の冒頭に載っていますが、
 とても美しく強い日本語だとおもいます。


春駒日記 吉原花魁の日々」 森 光子 ★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog