bookshelf 『むかし女がいた』 大庭 みな子 忍者ブログ
本はごはん。
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32029189.JPG  小説か詩か散文か。
 独特のリズムで女というもの、その女と対峙する男というものを
 えぐっていきます。

 情念、諦観、嫉妬、虚実、さまざまなものが言葉の背後に透けて見えますが、
 いちばん大きなものは「怒り」ではないか。
 淡々としていながら、しかしそこにはとても熱く、如何ともし難い
 強い怒りが潜んでいるように思います。

 特に、次の一文にはまったくドキリとさせられた。

 「何も言わないで生きているくらいなら、死んだ方がましだ、というより、
  生きるということは、それが危険だとわかっていても言ってしまうことに違いない
  と、女はいつの頃からか思うようになったのだ。」

 この作家を知らなかったとは、まったく迂闊だった。
 

 「むかし女がいた」 大庭 みな子 ★★★★
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