bookshelf 『ゆれる』 西川美和 忍者ブログ
本はごはん。
[291]  [290]  [289]  [288]  [287]  [286]  [285]  [284]  [283]  [282]  [281
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

8013feacb7757c8099dda54019e3f3b5.jpg  やっぱり読まず嫌いというのは良くないな。と思った。

 著者は映画監督が本業なんですかね。映画の原作ということになるのかな。
 映画を撮った後に著したようです。

 緻密な心理描写に正直なところ驚きました。まったく性格の違う登場人物
 たちを、キャラクターをたてるというよりも、内面からきちんと描き分けて
 います。ここがかなり秀逸。

 ただまあ作家が本業ではないせいか、というより映像の世界の人だから
 だと思うのですが、日本語とか文章とか、言葉を積み上げて構成して
 いくというより、場面や情景みたいなものを切り取って言葉に置き換えて
 いるような印象です。

 お互いを思いやったつもりが相手を傷つけていたり、近いようで遠い、かといって他人にも
 なれない「家族」というやっかいな関係性を何組かの親子、兄弟関係、疑似家族関係を
 通して描いていますが、

 でも「家族だからいつかきっとわかり合える」と思うのか、それとも
 「いや家族だからと言ってもどうしようもないだろう」と思うのか。

 それはラストをどう判断するのか、つまり個々の読み手に委ねられているのでしょう。


ゆれる」 西川 美和 ★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog