bookshelf 『サクリファイス』 近藤史恵 忍者ブログ
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131261.jpg  はっきり言って自転車には全く興味ないのですが。

 サイクルロードレースが舞台になっていて、そのメンタリティも含め、
 このスポーツならではの特徴を活かしたミステリになっています。

 本物のエースとは、勝利は数多くのアシストたちの犠牲の上に成立
 しているものだと言うことと、その責任を自覚している者のことを
 いうのでしょう。

 しかしアシストは「役割」として犠牲になりますが、「人として」本当に
 必要な場面で自ら犠牲になれるかどうか、それはもしかしたら
 人間性そのものが問われるのかもしれません。

 全体のストーリィ展開は良くできていると思うのですが、良くできているからこそ
 勿体ないように思います。もう少し各人の心の機微などを丁寧に掬い上げてくれて
 いたら言うことないと思います。

 残念ながら、ストーリィを補足する部分、例えば幼なじみとのやり取りとか
 彼女に対する心理描写、また彼がゴールに執着を持たない部分などが、いささか雑
 な印象を受けます。

 ミステリの部分にウエイトを置いているせいなのかな。
 
 でも、どうしても序章?(プロローグ?)の表現がやっぱり引っかかる。
 そこまで覚悟して全てを背負って走ってきた人が、ああいう感覚になるとは
 ちょっと考え難いのだけれど…。

 良くできてるだけに、やっぱり勿体ない気が…。


サクリファイス」 近藤 史恵 ★★★
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