bookshelf 『サイゴン・タンゴ・カフェ』 中山可穂 忍者ブログ
本はごはん。
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4043661029.jpgg  短編集ですが、全編を通して脈々と力強いタンゴのリズムが流れています。

 たしかにこの著者にはタンゴの、暗い、抗い難い情熱とリズム、その底に
 巣くう孤独みたいなものが良く似合う。その孤独は逃げることはおろか、
 どうしても自ら絡みとられにいってしまうようなもので。

 そしてそれは決してフラメンコではなく。

 また、すこしゆがんだ愛の形とか、屈折しきれないビミョーに折りたた
 まれてしまった心理なんかを表現するとやっぱりピカイチですね。

 ひとつ、猫の短編があって、どういう巡り合わせか愛猫をなくした直後
 (翌日)に目にしてしまい、目を通し始めて「これはマズイ」と思った
 もののもう既に読むのも止められず、参りました。

 「猫にはにんげんが泣いているとき、その涙を自分のからだに吸い取って、
  悲しみを分かち合うことしかできないのだ。」(「ドブレAの悲しみ」)


サイゴン・タンゴ・カフェ」 中山 可穂 ★★★
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