bookshelf 『北緯四十三度の神話』 浅倉卓弥 忍者ブログ
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4c1b6fbd.png  「君の名残を」がとても良い作品であったので、他の作品もと思って
 手に取ったのが本書であります。
 正直、あまり期待していなかったのであります。が。

 姉と妹。いつの間にか開いてしまった心の距離。上手く言えない葛藤。
 時にそれは、自分自身への苛立ちを相手に転嫁してしまったものである
 ことに薄々気付きながらも、どうにも縮められない距離。
 いくつかの死を乗り越え、姉妹という関係を再生していくというものです。

 はっきり言って、地味なストーリィです。特に「君の名残を」の
 あとに読むにはかなり地味なストーリィです。
 しかしこれがきっちり読ませる。

 それは、基本的には姉の視点で進むストーリィに、妹の(ラジオの)DJ を
 定期的に挟むことによって、妹側の想いをかいま見せつつ全体にリズム感を
 出す構成と、そして何より、文章の巧みさ、によるものだと思う。

 本当にこの著者の文章の巧みさは特筆ものだと思う。著者買いリストに入れてもいいかも。


北緯四十三度の神話」 浅倉 卓弥 ★★★
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