bookshelf 『死因不明社会』 海堂 尊 忍者ブログ
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HTbookCoverImage-1.jpeg  先に読んだ同じ著者の『チーム・バチスタの栄光』について書こうかと
 思ったのだけども、まあベストセラーだし映画にもなるらしいし、あちこちに
 書かれているだろうしということで、同じ著者の『死因不明社会』のほうを
 取りあげてみます。

 TVをつければ煩いキャスターやら政治家やらが、やれ「格差」「格差」と連呼
 し、煩いことこの上ない昨今。しかしこのあいだ上海に行ってきたあたくしは
 正直なところ「日本の格差なんて甘い」と思ってしまっておりました。
 (だってさー。中国の格差ってはんぱじゃないんだもん)。

 しかしこの本を読むと、「死因特定」というジャンルに於ける地域格差の大きさには 
 (中国の圧倒的格差を目の当たりにしたあたくしでも)驚きます。

 しかし更に正直なところ、自分が死んでしまったらべつに死因特定とかしてくれなくても
 まあいいよ、と思います。
 ですがこれが自分ではなくて、自分の大切な人となれば話は別です。
 やっぱり理由は知りたい。原因は知りたい。

 著者の自説も提案もとても論理的に構成されており、とても美しい。
 個人的にも、なまじっか全身解剖されるより、著者の提案する Ai のほうがよっぽど良いです。
 
 ■(金銭的/時間的)低コスト
 ■遺族の心理的負担の軽減

 (ほんとうはもっとメリットがありますが)このふたつが揃っただけでも実施に移す価値
 があると思うんですが。資本主義社会のOLにどっぷり浸かっていたあたくしには、
 厚生労働省のアルゴリズムは(日本語は理解できるけど)、まったく判りません。

 この本を現厚生労働省幹部が読んだら、にやり、と笑うのでしょうか。
 それとも、憮然として読まなかったことにするのでしょうか。


 「死因不明社会」 海堂 尊 ★★★
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