bookshelf 『タマや』 金井 美恵子 忍者ブログ
本はごはん。
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40581.jpg<br />  ううむ。おもしろい作家ですね。
 筒井康隆をちょっと思い出すような、長ーーーいセンテンス。
 描かれているのは日常風景のようであって、でも日常的ではない人たち。

 かなり筆力ある作家だと思うのですが、こういう文章は今時嫌われるのでは
 ないかしら、読みにくいとか言って。
 いえいえ、それは読む側の読書力がなさすぎってもんだと思うんですが
 (言い過ぎですかすいません)。

 最近「面白い」という定義がちょっと歪んできているように思うのは
 あたしだけかしら。「判りやすく」て「単純」で「笑える」ものだけが
 「面白いもの」であるかのような風潮を感じるんですけどね。

 本も同じで「判りやすい面白さ」だけを追求するのならそれこそ「つまらない」
 と思うんだけどなぁ。

 しかし。
 この本には解説がみっつついており、そのうちふたつが著者自身による「あとがき」という名の
 解説ですが、文芸書に於ける著者自身による解説は、ごく一部の人を除き蛇足以外の何物でもない、
 少なくともあたくしの経験上、90%を超える確率でそうであったと思っています。

 だいたい著者自身が(その名前がたとえ「あとがき」であっても)解説を付そうとする心理は
 「読者に伝え切れていないのではないか」という書き手側の不安、と同時にそれと裏腹な
 「どうせ読み下せないに違いない」というようなある種の傲慢さ、みたいなものがあるのでは
 ないかと想像してしまいます。
 
 そうして付された「解説(あとがき)」という名の文章は、著者自身によるタネ明かしであったり
 ちょっとした裏話の公開であったり、つまりは「蛇足」以外の何物にもならないのではないかと。
 だいたいどんな解説をつけたところで、判る人には判るし、わかんない人には判んないもんだし、
 その上ひとはそれぞれ「そのひと判りかた」で判るしかないんですけどね。

 更に。
 みっつめの「解説」が本来の解説だと思うんですが、これが…。
 かなり衝撃的です。あまりにもひどくて。
 

タマや」 金井 美恵子 ★★★
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