bookshelf 『螺鈿迷宮 上・下』 海堂 尊 忍者ブログ
本はごはん。
[169]  [168]  [167]  [166]  [165]  [164]  [163]  [162]  [161]  [160]  [159
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

200805000465.jpg  「バチスタシリーズ(?)」3作目です(もしかしたら番外編かも)。

 「バチスタ」はすごく良かったのですが、2作目の「ナイチンゲール」で
 ちょっとうーん…と思い、どうしようかと思ったのですが、この作品は
 なかなか良かったです。
 
 1作目の「バチスタ」はエンタテインメントの小説としての完成度は高かった
 ものの、やはり著者が推進する「AI(死亡時画像診断)」に対する説明臭さを
 多少感じたのですが(まあ1作目なのでちゃんと説明しなきゃいけなかったんで
 しょうが)、この作品では「AI」を全く逆の視点(死因を隠すためのAI)で
 表現していたり、

 「原罪」の概念を絡めてきたり、「バチスタ」騒動そのものや高階病院長に
 対する世俗の評価なんかが複眼で絡んできて、より世界観が重厚になった
 ように思います。

 上巻の頭のから伏線張られまくり、内容盛り沢山のエンタテインメント小説ですが、ちょっと
 距離を置いて俯瞰してみると、著者の「医療」とか「生命」に対する「想い」みたいなものや、
 基本的なことに対するスタンスみたいな物が見えてきます。

 相変わらずキャラクターのたてかたが鮮やか。
 星の数は非常に悩むところだけれど、ぎりぎり4つということで。

 
 「螺鈿迷宮 上」「螺鈿迷宮 下」 海堂 尊 ★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
bar code.
search.
※ 忍者ブログ ※ [PR]
 ※
Writer 【もなか】  Powered by NinjaBlog