bookshelf 『贅沢の条件』 山田登世子 忍者ブログ
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4c49d44cc5a38a621d69bfe3aa9b37cab8a5cc91_1.jpg  「本当の贅沢とは何か」を追求した本です。

 富(Wealth)と贅沢(Luxe)の違い、ヨーロッパの歴史の変遷と
 価値観のシフトなど、「贅沢」の背景にあるものや、贅沢の「変遷」も
 きちんと整理されています。

 中世ヨーロッパ、禁欲生活の最たる場所であった修道院から、贅沢の極み
 である高級ワインが生み出されたとか、

 シャネルの原点は、彼女が多感な時期を過ごした修道院、それも一切の
 装飾を廃した自然かつシンプルな環境と生活態度であったとか、

 いずれも、「贅沢」からほど遠いところから「最高級の贅沢な品」が
 生み出されているというのが面白い。

 著者の言う本当の贅沢とは「閑暇」で、王侯貴族時代にいちばんさげすまされていた「労働」が
 産業構造の大変化とともにいちばん尊いファクターとされるようになって、本来の「贅沢」は
 我々の前から姿を消してしまった(著者はスーツを「贅沢の葬送のための喪服」と表現する)
 ということのようだけれど、

 大量消費時代やバブル経済も経験し、それなりにブランドだのラグジュアリーだのとひととおり
 の経験を経て、「本当の贅沢」に気づき始めている人は多いんじゃないだろうか。

 しかし本書の中で白州正子が言うように、「贅沢」と意識せずに(精神的に)贅沢な生活を
 することがいちばん贅沢なんじゃないかな、と思う。


贅沢の条件」 山田 登世子 ★★★
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