本はごはん。
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キルケゴールは「絶望」を「死に至る病」と現しましたが。
光市の母子殺害事件。死刑判決を獲得するまで9年。
今なにげに「死刑判決獲得」と書きましたが、まさしく「獲得」するもの
なのだと、この本を読むと痛感します。
被害者遺族は大切なものを卑劣な手段で奪われて身も心もずたずたになって
それでも戦い続けないといけない現状。
司法とはこれほど頼りなく、形式だけで成立しているものなのか、という
ことに暗澹たる思いがします。
時折ニュースで裁判の進捗具合や、記者会見の様子を垣間見るにつけ、
見る度に顔つきや物言いが深いものになっていく被害者遺族の姿に人間的な成長が
表れているように思っていましたが、周りの人に支えられながらも途方もない闘い
(事件当初被害者遺族の闘いの相手は「被告人(犯人)」でしたが、やがてそれだけではなく
「司法制度」という強大な相手との闘いになっていきます)
を続けながら「死」というものと正面から対峙してきた姿が描かれています。
しかし9年。
被害者遺族は大きな人間的成長を遂げたと思いますが、しかしこの9年間は時間が
止まってしまっていたのではないでしょうか。
この死刑判決を機に、また新しい時がゆっくりと流れだし、その行く先が
暖かい光に満ちていることを切に願います。
エピローグに書かれていることにはちょっと懐疑的です。
「なぜ君は絶望と闘えたのか」 門田 隆将 ★★★★★
光市の母子殺害事件。死刑判決を獲得するまで9年。
今なにげに「死刑判決獲得」と書きましたが、まさしく「獲得」するもの
なのだと、この本を読むと痛感します。
被害者遺族は大切なものを卑劣な手段で奪われて身も心もずたずたになって
それでも戦い続けないといけない現状。
司法とはこれほど頼りなく、形式だけで成立しているものなのか、という
ことに暗澹たる思いがします。
時折ニュースで裁判の進捗具合や、記者会見の様子を垣間見るにつけ、
見る度に顔つきや物言いが深いものになっていく被害者遺族の姿に人間的な成長が
表れているように思っていましたが、周りの人に支えられながらも途方もない闘い
(事件当初被害者遺族の闘いの相手は「被告人(犯人)」でしたが、やがてそれだけではなく
「司法制度」という強大な相手との闘いになっていきます)
を続けながら「死」というものと正面から対峙してきた姿が描かれています。
しかし9年。
被害者遺族は大きな人間的成長を遂げたと思いますが、しかしこの9年間は時間が
止まってしまっていたのではないでしょうか。
この死刑判決を機に、また新しい時がゆっくりと流れだし、その行く先が
暖かい光に満ちていることを切に願います。
エピローグに書かれていることにはちょっと懐疑的です。
「なぜ君は絶望と闘えたのか」 門田 隆将 ★★★★★
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