bookshelf 『闇の子供たち』 梁 石日 忍者ブログ
本はごはん。
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31352440.jpg  映画化されるそうですね。

 「幼児売買」「幼児売買春」「臓器売買」ー。
 これは小説ではありますが、実際にこのようなことはあるのでしょう。
 8歳で売られ、調教されて客を取らされ、エイズが発症すればゴミ袋に
 入れられて捨てられてしまう。確かにショッキングなことです。

 確かにそれに近い事実が現実にあるのだと思いますが、この小説を現実と
 同一視するのはちょっと危険だなぁと思います。

 実際、タイで心臓移植手術というのは聴いたことがないし、また新聞社の
 記者が取材をするときに一般人を同行させたりしてますが、それはちょっと
 あり得ないのではないか、特にこのようなケースでは…、とか。
 
 あとどうしても気になったのは、
 息子が心臓病でもって半年、恐らくその間にドナーは現れないので4,000万円でタイで臓器移植を
 決めた母親に、NGOの職員が、

 「生きた子から臓器を取り出して移植することになるのでやめて欲しい」と言うと、母親が
 「うちの子供に死ねと言うのですかっ!」と激高するシーンがあるのですが、いくら小説とはいえ
 ちょっとそれは世の中の母親に対して酷すぎないか。

 それに、こんな書かれ方されて世の中のNGOの関係者は怒らないんだろうか。
 あまりにも無能な書かれ方をされてるようにしか思えない。

 しかしまあそれらは些末なことで、恐らくこの本は最後の2ページのために書かれたのでしょう。

 確かにあたしは「こちら側」の人間で「あちら側」には行けないけど
 でも全員が「あちら側」に行けば問題は解決するのか。
 「こちら側」で出来ることをしていくしかないしそのためにはまず「知る」「知らしめる」
 ということが必須ではないのか。

 現実から目を逸らすのではなく、「何も出来ない(に等しい)自分」という現実も含めて
 背負っていくしかないんじゃないかと、そんな風に思いました。


 「闇の子供たち 」 梁 石日 ★★★★
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